Dr.クララ・リー Dr.リーのデンタル日記 毎月第1月曜日掲載 Vol.48 双子ちゃん?

 私の子どもたちがまだ小さいころ、いつも双子と間違えられていました。というのも、2人は誕生日が1年も離れていない、いわゆる〝アイリッシュ・ツイン(年子)〟だったからです。もちろん長女が年上なのですが、ずいぶん長い間、2人は身長もほとんど同じでした。でもティーンエイジャーになって、今では娘よりも15センチも背が高くなった息子は、冗談でよく「ぼくのちっちゃいお姉ちゃん」とか「ぼくはお姉ちゃんのでっかい弟」などと言っています。
 数週間前、10代の男女の双子が来院しました。2人ともきれいな歯並びにしたい、というのがお母様のご希望。娘さんを先に診察しましたが、歯並びはそれほど悪くありませんでした。少しでこぼこしたところがあるけれど、比較的簡単にすぐ直せそうです。透明なインビザラインで、1年もあれば歯がきれいに揃った美しい笑顔が見えるようになる、と診断すると大喜びでした。
 一方、弟さんも双子なので娘さんと似たようなものと思いきや、口の中は別人のよう。彼の歯並びはかなりひどく、お母様曰く「口の中に歯を適当に投げ込んだみたいに、そこら中ごちゃごちゃ!」という状態でした。可哀想に、お姉さんのように笑顔を見せないのは、歯並びのせいだったのね、と納得。彼の場合、従来の金属ワイヤーを使った矯正具を使用、矯正期間も1年以上になりそうです。良いお知らせはできなかったけれど、それでも彼はきれいな歯並びで笑えるようになりたい、と言っていました。
 双子ちゃんは、見た目も性格も、服のセンスまでそっくりなものと思われがちですが、実は、そうではない場合のほうが多いのです。歯に関しては、ひとりひとり全く別の問題を抱え、治療方法も異なります。どんな歯並びでもインビザラインで1年もあればOKという訳にはいきませんが、逆にどんなにひどい歯並びでも、時間をかければきれいに揃った美しい歯並びにすることはできるのです。弟さんが矯正治療を終え、素晴らしい歯並びで満面の笑みを浮かべ、帰途につく日が待ちきれません!


Waterside Dental Care

Dr. クララ・リーClara Lee, DDS

ニューヨーク大学歯学部卒業。ニューヨーク大学ブルックデール病院でチーフレジデントを経て、13年以上にも及ぶ臨床経験は、一般歯科、コスメティック、インプラントを含む。インビザライン認定医。Waterside Dental Care医院長として古山医師と共に、多くの日本人患者を治療。Dentistryをこよなく愛している。
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