Dr.高田洋平 Dr.高田、宮崎プロのFunctional Golf 健康的に柔軟性を手に入れる

健康的に柔軟性を手に入れる

 フィジカルセラピストの高田です。前回はストレッチが引き起こす問題点について書きました。今回はどうすれば健康的に柔軟性を手に入れられるか考えていきましょう。
 筋肉や筋膜を機能的に伸ばしていくために大切なのは、まずはほぐすことです。筋肉は本来収縮していないときは柔らかく1つ1つの筋繊維がほどけた感じです。しかし、筋肉は過度の緊張が続いたり、けがをしたりすると周囲の筋膜などと癒着して少しずつ固まってしまいます。そうするとコリコリした硬い粘土のようになっていきます。肩凝りで悩んでいる人の肩を触るとコリコリとした塊があることが多いですが、これはこうした筋肉、筋膜が癒着して固まったものです。こうした塊は肩だけでなく身体中で起こります。

肩凝りの部分を触ると塊のようなものを感じるはず


 いったん塊ができるとそれをストレッチで解決するのは不可能です。塊をいくら伸ばそうとしても、その前後の組織が伸びるだけで肝心の塊はそのままです。輪ゴムを結って伸ばしても結っている箇所は伸びない、そんな感じです。
 ではどうするか? ほぐしてから伸ばしてあげるのが一番です。フィジカルセラピーに毎日のように通い筋肉、筋膜をほぐしてもらうのも1つの方法ですが、コスト面などからあまり現実的ではありません。そこで「フォームローラー」と「ラクロスボール」を使った自分で行えるマッサージをお勧めします。

ラクロスボール   フォームローラー


 まずフォームローラーでは、太もも、ふくらはぎ、背中と幅広い範囲をほぐすことができます。そしてラクロスボールは肩まわり、骨盤まわりなどをピンポイントでほぐすことができます。使用方法ですが図のように床に横になり患部にローラーやボールを当てます。「痛い」と思う部位が硬直している部位と思われます。多少の痛みを感じる程度に自分の体重をかけて調節してください。

図)フォームローラーはこのように使います


 ゴロゴロと激しく動かすのではなく、じわ~っとゆっくり動かすほうが効果的です。時間については個人差がありますが、1カ所の患部(例えば肩)に5分ぐらいが目安です。次の日に筋肉痛のような揉み返しが起きる場合は時間を減らしましょう。その後に軽いストレッチなどをすれば、より効果的ですね。

 
 
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Biography 高田洋平
DPT, CFMT, OCS, SCS, CAOPT,ゴルフを中心としたスポーツリハビリを学びたいと渡米。コロンビア大学でDoctor of Physical Therapy(理学療法学•博士号)を取得。現在Func-Phsyotherapyのオーナー。 ゴルフリハビリの資格:TPI(Titleist Performance Institute) Medical Profession‐Level Ⅲ。
USGA Handicap: +0.3
連絡先/yt@funcphysio.com
TEL (347)-497-0500

 


Biography 宮崎 太輝
NY市立大学大学院で Exercise Science & Rehabilitationを専攻し、効率よく新しい身体の動きの習得を促すために運動学習を研究。東京でプロやインストラクター、トレーナーに向けてゴルフスイングや指導法の講習を行った経験を持つ。現在はMosholu Golf CourseとWestchester Driving Rangeにてレッスン活動を行う。
連絡先/taikim@motorlearningolf.nyc
TEL (516)-467-6699