大塚 洋一(Gulliver USA) 車の豆知識 第52回「3年後の相場を読む」

 帰国まで生活の足として必要で、帰国時には売らなければならず、手放し時期(所有期間)が決まっている、という条件が揃っている場合、多くのお客様が購入時にリセールバリューのことを気にされます。「今売れているクルマ」と「数年後に売れているクルマ」は必ずしも同じではありません。今回はリセールバリューの読み方のコツをご案内します。
◆買い手を分析する
 クルマを手放す時期に売れやすい(人気がある)のは一体どのようなクルマでしょうか。その答えは、今ご自身が買おうとしている価格帯、年代、車種、走行距離でほぼ間違いありません。人気レンジのど真ん中はおおよそ4~6年落ちの4~6万マイルで、できれば4WD車です。どうでしょう、あなたの希望とほぼ一致するのでは? ということは、それを逆算すればよいのです。あなたが実際に使用する年数と走行距離を逆算して、乗り出しのスタートラインを決めます。手放し時期に上記条件に当てはまるようにしましょう。
◆高級車(新車~3年)の値落ち
 高級車を買う層はどんな方々でしょうか? 高級車は性能も良いのですが、その性能を発揮する場所はほとんどありません。どちらかというと自身の満足のために選ぶ方が多く、この場合は新車ということが大前提だったりします。高級車の中古車は、それなりに価格が下がっていれば需要はあります。買い手が新車と中古車の差を価格差で天秤に掛けるのです。性能や経年劣化に関わらず、エンドユーザーの気持ちで相場が決まるので、新車~3年落ちまでの高級車は通常の相場の下落曲線よりもさらに低くなります。ぜいたく料を支払っているとは、まさにこのことですね。
◆近年の相場動向と均等傾向
 インターネットの普及により、簡単に情報が手に入る時代です。近年では情報交換も活発で相場も安定してきています。また、業者向けカーオークションの台頭により、ディーラー同士の在庫の共有も活発です。情報が少なく、店主の個人感覚で値付けがされていたころは「掘り出し物」も見つかりましたが、今では「安い」には必ず「理由」があります。「安くて良いもの」というご要望を多くいただきますが、はっきり申し上げて、「安い」と「良い」は相入れません。
 最後に、「米国ではクルマの値段が下がらない」という神話を耳にしたことのある方。実はこれ、正しくない理解です。一部正解で一部不正解なのですが、正しく修正したものが次です。「日本と比べ、米国では古いクルマの店頭販売価格が下がらない」。クルマが生活必需品である米国では、所得層に関わらず需要があります。これは値段も高止まりするということを意味しますが、近年では貧富の差が大きく二極化していますので、特に低価格で買えるクルマに需要が集中しています。逆に、所得の中間層が減っている近年では、高級車や新しいクルマは次世代の買い手の予算が低いので、価格が崩れやすくなってきています。

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プロフィール
大塚 洋一
2004年に(株)ガリバーインターナショナル入社。対企業向けのコンサルティング営業部スーパーバイザーを経て、06年に直営店舗事業部へ転属。日米で店長を経験し、15年2月より米国代表に(NY店店長兼務)。豊富な知識と丁寧な接客に定評あり。緊急時や時間外も対応で心強い。
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