Dr.高田洋平 Dr.高田、宮崎プロのFunctional Golf ボールはどうやって曲がる?

ボールはどうやって曲がる?

 こんにちは。ティーチングプロの宮崎です。今回は多くのゴルファーが誤解をしているボールの飛び方について説明します。先日レッスンを受けた方が、「ボールがすごく曲がっていくんです。サイドスピンの回転量が多いのではないかと思います」と言いました。よくサイドスピンの話をする方がいらっしゃいますが、実はサイドスピンというものは存在しないということを皆さんはご存知ですか?
 多くの人は図1のようなサイドスピンをイメージしているのですが、普通のショットを打つときにボールにこのような回転がかかることはありません。では実際、ボールが飛んでいるとき、どのようなことが起きて曲がっていくのでしょうか。

図1:サイドスピンのイメージ

図1:サイドスピンのイメージ


 ゴルフボールは飛ぶ際にスピンの軸があります。その軸はインパクトの瞬間の、フェースの向きやヘッドの軌道、ボールとフェースの摩擦により決まります。この軸が傾くことを「バンク」といい、このバンクによってボールが曲がるのです。バンクのイメージが湧かない人は、図2のような、飛行機が飛んでいるところを思い浮かべてみましょう。飛行機は左右に曲がるとき、機体を傾けます。ゴルフボールと飛行機は同じようにバンクすることで曲がっているのです。
図2:左に曲がるための「バンク」

図2:左に曲がるための「バンク」


 それではこの仕組みを理解してからどのように実践に活かせば良いのでしょうか。まず、ボールの傾き度合いが分かるシミュレーターを利用して現状を把握することがとても大切です(図3)。ボールのバンクの度合いで曲がり幅が変わります。バンクの度合いが小さければ小さいほど曲がりも小さくなり、大きければより曲がります。
図3:ボールの軸が7度左に傾いているので、左に曲がる弾道になる

図3:ボールの軸が7度左に傾いているので、左に曲がる弾道になる


 例えばバンクの度合いが大きいことを確認して、自分なりに小さくするために、グリップの見直しなど試行錯誤することは上達の過程でとても大切です。それでも、どうしてもコントロールできなければレッスンを受けるのも良いですし、クラブフィッティングによって道具を調整してバンクの度合いを改善することもできます。
 ゴルフの上手な人とそうでない人の違いで決定的な違いの1つに、上手な人はバンクをうまく利用し曲がり幅をコントロールできるということが挙げられます。バンクを上手く扱って、ボールの曲がり幅をコントロールできるようになりましょう!

 
 
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Biography 高田洋平
DPT, CFMT, OCS, SCS, CAOPT,ゴルフを中心としたスポーツリハビリを学びたいと渡米。コロンビア大学でDoctor of Physical Therapy(理学療法学•博士号)を取得。現在Func-Phsyotherapyのオーナー。 ゴルフリハビリの資格:TPI(Titleist Performance Institute) Medical Profession‐Level Ⅲ。
USGA Handicap: +0.3
連絡先/yt@funcphysio.com
TEL (347)-497-0500

 


Biography 宮崎 太輝
NY市立大学大学院で Exercise Science & Rehabilitationを専攻し、効率よく新しい身体の動きの習得を促すために運動学習を研究。東京でプロやインストラクター、トレーナーに向けてゴルフスイングや指導法の講習を行った経験を持つ。現在はMosholu Golf CourseとWestchester Driving Rangeにてレッスン活動を行う。
連絡先/taikim@motorlearningolf.nyc
TEL (516)-467-6699