大塚 洋一(Gulliver USA) 車の豆知識 第57回 大雪が降ったら…

今年は比較的暖冬で雪も少ないと思っていた矢先、大雪に見舞われてしまいました。こんなとき、知っておくと便利な2つの知識をご紹介します。

◆ワイパーを立てる理由
 降雪地域ではよく見られる風景ですが、雪が降る前に車のワイパーを立てておくのはなぜかご存じでしょうか? 理由は2つあります。
①ワイパーのゴムとフロントガラスの間に氷が張って張り付いてしまうから。
これ自体はさほど問題ではないのですが、出掛けるときにワイパーを動かしたり雪を払うためにワイパーを持ち上げたりする際、ガラスに張り付いたワイパーゴムが引っ張られて裂けてしまうことがあります。
②雪の重みでワイパーが曲がったり折れたりしてしまうから。
雪は1粒では重みを感じませんが、塊になるとかなり重くなります。また、雪が途中でみぞれや雨に変わると、それまでに降り積もった雪がスポンジのように水分を吸収し、重さが数倍にもなります。こうなると、ワイパーに掛かる重量は相当なものになります。特に、SUVやバンタイプのリアガラスは、フロントガラスに比べるとほとんど垂直になっていますので、ワイパーに掛かる重量もより大きくなります。ですので、リアワイパーも忘れずに立ててあげましょう。ちなみに、日本の東北や北海道地方では家屋の屋根から雪降ろしをしますが、これも雪の重みで屋根が抜けてしまわないようにする対策です。屋根は立てておけませんが、それに比べるとワイパーを立てるのは簡単なことですから、面倒くさがらずに降雪予報の前には予めワイパーを立てておくようにしましょう。

◆雪にハマってしまった
 雪の中、路上にクルマを止めて数時間。クルマに戻って発進しようとしたらタイヤが空転してしまい発進できない! なんてこと、たまに発生しますよね。こんなときに試していただける簡単な方法があります。
 道路の路肩にクルマを止めている場合、当然歩道とは反対方向にハンドルを切って前進を試みると思います。このときにタイヤが空転している場合、ハンドルを逆の歩道方向に切ってクルマを前進または後進させてみましょう。重要なのは、「路肩から発進すること」よりもまず、「タイヤが空転する場所からの脱出」です。タイヤが空転してる部分(路面との接地面積)はタイヤ1つにつき、せいぜい縦10cm、横25cmです。この範囲から抜け出せれば、タイヤが路面を捉えて発進できるかもしれません。完全に抜け出すことが無理な場合でも、前か後ろに5cmでも動かせるならば動かしてブレーキ。次に逆にシフトノブを入れて、ブレーキを離すのとできる限り同時に発進してみる。振り子の戻る力を味方に付けて、少しでも推力を生み出します。これを繰り返しているうちに初めは5cmしか動かなかったのが、6cm、7cm、と少しづつ稼動範囲が大きくなり、振り子の推力も大きくなっていきます。
 目指すは10cmの前進。車両の前後に十分注意を払いながら、お試しください。ちなみに、AAAなどの会員に入っていない場合、ロードサービスは1回につき100ドルほどかかります。

otsuka2
プロフィール
大塚 洋一
2004年に(株)ガリバーインターナショナル入社。対企業向けのコンサルティング営業部スーパーバイザーを経て、06年に直営店舗事業部へ転属。日米で店長を経験し、15年2月より米国代表に(NY店店長兼務)。豊富な知識と丁寧な接客に定評あり。緊急時や時間外も対応で心強い。
ガリバーNY支店
2423 Central Park Ave, Yonkers, NY 10710
1-888-629-6587
www.gulliverusa.net