助言受け入れず71歳を殴る 低下するニューヨーカーのモラル

 8日付のCBSニューヨークによると、マンハッタン区内の地下鉄駅構内で6日、若い母親の行動を注意した71歳の女性が殴られる事件があった。
 被害者は2番街86丁目の地下鉄駅のエレベーターに乗ろうと待っていた際、子どもとともに後ろから割り込んできた若い母親に「人を押しのけるのではなく、順番を守ることの大切さを子どもに教えるべきではないのか」と注意したところ、持っていた杖を奪われ、何度も殴られたという。女性に暴行を加えた後、現場から立ち去ったブリョーナ・グリム容疑者(24)は傷害罪で逮捕された。
 容疑者の近隣住民の1人は、「注意され腹が立ったとしても暴力を振るうのは間違い」と話し、また別の住民は「他人からの助言を素直に受け入れることができない人が増えているニューヨークでは、何が起こるか分からない」と不安を口にした。妻が妊娠中であるという男性は「すぐにかっとなる人が多く、今回の事件を聞いても驚かない。妻は毎日地下鉄を利用しているが、席を譲ってくれる人もなかなかいない」と現状を訴えた。「最初から他人には関与しないほうが身のため」と主張する人もいる。
 被害者の女性は軽傷で済んだという。
170310nynews4-K