大塚 洋一(Gulliver USA) 車の豆知識 第58回 春に車の買取相場は下がる?上がる?

 最近は暖かくなってきましたね。春から夏にかけては引っ越しをする人も多いですから、生活環境が変わるとともにカーライフも変化する時期です。また、タックスリターンでまとまったお金が懐に入ってくる時期も重なります。ということは、「車も売れて買取相場も上がるのでは!? 」と思いますよね。確かに、小売り需要期の在庫確保のために業者の仕入れ意識が高まり需要が上がりますが、それはこの時期の少し前のお話です。
 実際には仕入れをしてから店頭に並ぶまでには、点検整備や部品の交換などをした後に洗車仕上げを行う段取りがあります。これらを全ての在庫に対して行うとすれば、1カ月ほどは必要ですので、買取相場が高いのは小売需要期の1カ月ほど前、ということになるでしょう。
 4月は販売需要期真っ只中ですので、当然のごとく2〜3月は買取需要期になります。そして、4月に在庫のほとんどが売れてしまった場合、在庫の補填をしなければいけませんので、売却するならその直後の5〜6月初旬も狙い目かもしれません。
 一般的に春から夏にかけては仕入れ需要が高いので、買取相場も良くなるという傾向ですが、これは車種、状態の良いものが優先されます。マーケットでの車種の人気やコンディションなどは、よほど市場に精通していない限り読み切ることはできません。そして、基本的には相場は下がっていくものですので、一瞬だけ多少上がったとしても、すぐに元以下まで値下がりしてしまいます。
 例えば、会社の株価は業績が悪くなる一方ではなく、良くもなっていきますので、株式銘柄の商品価値が上下しますが、クルマは時間経過とともに消耗していく(悪くなっていく)一方ですので、商品価値は時期とともに値下がりしてしまうはず。なので、基本的にはご自身のクルマを手放そうと思い立ったときが売り時ということです。
 保険やレジストレーション費用、駐車場代などのことを考えると、手放してしまった後にクルマ移動が必要になったときだけレンタカーやタクシーを利用するほうが、結果的に経済的だったということはよくあります。クルマを保有しているとその便利さから、「クルマを手放すと不便になる!」という意識だけが先走ってしまい、「今クルマを手放すわけにはいかない」と考えが凝り固まってしまうとベストな判断ができません。言い換えると、あれこれやりくりすればクルマ無しでも生活できる(手放すことができる)ギリギリの時期が一番の手放し時です。
 ぜひ、頭を柔らかくして考えてみてください。少しでも迷ったらご相談に乗りますので、お気軽にお問い合わせください。

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プロフィール
大塚 洋一
2004年に(株)ガリバーインターナショナル入社。対企業向けのコンサルティング営業部スーパーバイザーを経て、06年に直営店舗事業部へ転属。日米で店長を経験し、15年2月より米国代表に(NY店店長兼務)。豊富な知識と丁寧な接客に定評あり。緊急時や時間外も対応で心強い。
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