NYの芸術界に大打撃 トランプ大統領が助成金削減発表

 9日付のエーエム・ニューヨークによると、トランプ大統領が全米芸術基金(NEA)への助成金削減を同日発表し、ニューヨーク市内の芸術団体に大打撃が及ぶ懸念が高まっているという。
 NEAは昨年だけで、市内の芸術団体に1450万ドル(約17億円)の助成金を支給した。2000~16年までの合計は2億3300万ドルにも上り、内訳としてメディア、アート関連団体に4250万ドル、シアター関連団体に3240万ドルが支給されている。
 NEAからの助成金は団体運営費の一部に過ぎないが、「助成金が出ることによりほかからの寄付が集まる」と市のスコット・ストリンガー会計監査官は説明する。こうした団体の財政に不利益をもたらすことは誰の目にも明らかだ。また、団体が規模を縮小することになれば、失業者が出る恐れもある。
 市内の子どもたちにアート教育プログラムを提供している芸術教育センターは、年間1万ドルの助成金を受けている。代表者は、「この助成金で多くの市民と子どもたちがアートを楽しんでいる」とし、「これも大統領が築こうとしている壁の1つ」と批判した。ストリンガー監査官も、トランプ政権や議会に対して助成金削減の再考を促す意向だ。
nynews170313_4-2