大竹彩子(焼酎&タパス 彩)「プロ」が選ぶこの焼酎、この一本! 毎月第4月曜号掲載 第十ニ回

 第十二回 ミュージカル俳優「撫佐仁美(むさひとみ)」さん
毎月焼酎好きで有名な各業界の「プロ」をゲストに迎え、焼酎と言ったら「この一本!」を選んでいただくこのコーナー。さらに焼酎にまつわる人生エピソードを焼酎ソムリエ大竹彩子とインタビュー形式で語っていただきます。

焼酎のプロと各業界のプロの焼酎トークお楽しみください。
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撫佐仁美(むさひとみ)
2007年劇団四季入団、同年12月に「ウェストサイド物語」エステラ役でデビュー。12年の退団翌年に渡米、NYを拠点に活動中。ブロードウェーミュージカル「Miss Saigon」、「Avenue Q」、「West Side Story」などに出演。人気映画「Alvin and the Chipmunks」のミュージカル版全米ツアーでは49都市を回りAlvin役としてFOX Newsにも出演した。

−−本コーナーの最終回にお迎えしたのは、劇団四季出身、現在はニューヨークをはじめ、全米で活躍するミュージカル俳優の撫佐仁美さんです。先月、日本の報道番組「ニュース23」でご自身が取り上げられたそうですね。

撫佐: そうなんです。インタビューや稽古風景なども紹介してくださり、周囲の反響も大きく、特に日本の家族にこちらでの活動を見てもらえたのは本当にうれしかったです。それ以来、余計な肩の力が抜けてオーディションでの調子もいいんです!

−−俳優人生10周年、またニューヨークでの4年間を振り返っていかがですか?
撫佐: 最初は無給の仕事から始めましたが、とにかくどんなオーディションにも果敢に挑戦しました。今ではさまざまなオーディションで、「良くなってるね!」と私のことを覚えていてくれるなど、手応えを感じています。

−−30代に入り、20代と比べて違いなどは?
撫佐: まずこちらのオーディションは年齢を聞かれることがない。見た目と何よりも実力が勝負。年々演技に生かせることも増え、踊りもまだまだ10年はいける(笑)!

−−そんな撫佐さんにとって「この一本!」とは。

撫佐: はい、奄美大島の黒糖焼酎「れんと」です。

−−れんとは音響熟成といって3カ月ほどクラシック音楽を聴かせた後に出荷されることで有名ですね。

撫佐: とてもロマンがありますよね。音楽から発せられる振動や周波数によって熟成し、味に変化をもたらす。周りからの刺激を受け変化へとつながる、まさに私もそうです。音楽を聴いて、そこから振り付けやセリフが生まれ作品へと仕上がっていく。音楽の持つ影響力はすごいんです。蔵に行ってぜひれんとと一緒に体感してみたいです。ちなみに私の好きなミュージカルも「Rent」!

−−まさに撫佐さんのために造られたような焼酎ですね! ミュージカルは歌って踊って演技もする、大変なお仕事ですよね。
撫佐: はい、ただでさえ私は一度に2つ以上のことをこなすのが苦手。だから歌は歌、踊りは踊りと別々に稽古をして、それらを最終的に組み合わせて完成させます。いかに稽古が大切か、ですね。

−−長年の並々ならぬ努力がありますね。
撫佐: 30代はもっと視野を広げて、学びの時間にしたい。40代になっていい俳優になれるように今があると思っています。まさに今は熟成のとき。いい音楽、いい人、いい舞台に恵まれて、れんとのように愛される俳優になりたいです。

−−俳優・撫佐仁美と、れんととの関係を一言で表すと?
撫佐: 「鍛錬」。れんとも3カ月もの間、同じ場所で同じ音楽を聴きながら日々じっと耐えている。日々の同じことの繰り返しが成長を促し、毎日の鍛錬と磨きが、見せるパフォーマンスにつながる。長い間同じことを続けて起きる変化がたくさんあるんです。

黒糖焼酎「れんと」 奄美大島開運酒造 (鹿児島県・奄美大島)

黒糖焼酎「れんと」
奄美大島開運酒造
(鹿児島県・奄美大島)

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大竹彩子
東京都出身。2006年、米国留学のため1年間ミネソタ州に滞在。07年にニューヨークに移り、焼酎バー八ちゃんに勤務。13年10月に自身の店「焼酎&タパス 彩」をオープン。焼酎利酒師の資格をもつ。

焼酎&タパス 彩
247 E 50th St (bet 2nd & 3rd Ave)
212-715-0770 www.aya-nyc.com