親子が闇サイトで薬物取引 覆面捜査で摘発

 【23日付amニューヨーク】スタテン島在住の親子が過去1年間にわたり、闇サイトで薬物の取引を行っていたとして23日、逮捕された。
 マイケル・ルチアーノ容疑者(58)とその息子フィリップ・ルチアーノ(29)は、昨年2月から摘発されるまで、「Zane61」というユーザーネームを使い、オピオイド系鎮痛剤「フェンタニル」と「オキシコドン」を闇サイトのアルファベイで売買していた。
 米国土安全保障省捜査班(HSI)の覆面捜査官がユーザーに扮して2人からフェンタニルを購入したことで取引が発覚し、家宅捜査が行われた。父親は容疑を認めており、息子はビットコインを使った取引やアカウントの設定などを担当し、違法薬物を配送していたのは自分だと自供している。
 闇サイトへアクセスするには特殊なソフトウエアが必要なため、「捜査当局の目を逃れて匿名で取引できると思っている犯罪者がよく利用する」と話すのはマンハッタン区連邦検事局南部地区のジュン・キム検事。しかし今回2人が逮捕されたことで、「当局は闇サイトの動向を監視しており、捜査の手を逃れるのは不可能だということが証明された」とHSIのエンゲル・M・メレンデズ氏は話している。
 米国ではオピオイド系鎮痛剤の依存者が急増し、社会問題となっている。