大塚 洋一(Gulliver USA) 車の豆知識 第66回 事故車の定義 高速走行での視野の変化

事故車の定義
 長いことクルマに関わる仕事をしていると、ふと思うことがあります。なぜ、皆さん口をそろえて「事故車はいやだ、クルマを買うなら事故車じゃない車が欲しい」と言うのでしょうか。さて、皆さんは事故に遭ったクルマ、いわゆる事故車を買いますか?

 ほぼ全員の方が、「買わない」または「買いたくない」と答えると思います。「縁起が悪い…」と思うのもごもっとも。では、そもそも事故車の定義とは何なのか、ご存知ですか?
 基本的には「ネジで交換ができない部分を修理したクルマ」のことを指します。これは俗に言う「フレームダメージ車両」のことで、このフレームがクルマの基礎となり、それにネジで部品を付けていくからです。また、面白いのが
①左右、前後のドアがめちゃめちゃになったクルマ:ネジ交換できるのでフレームダメージ車両ではない=事故車表現は通常使われない
②後ろから突っ込まれたがテールランプの近く(ボディ中心が)が全体的に曲がっただけ:通常エンドパネルは溶接のため、ネジでの交換ができない。フレームダメージ車=事故車表現が通常使われる
ということです。見た目や事故の大きさはあまり関係ありません。
 これも古い考え方の名残りなのですが、なぜフレームが曲がるとよくないのでしょうか? ティッシュペーパーの空箱を想像してください。どこかの1辺を内側に曲げると、他の面も同様に内側に曲がりますよね。そうです。ぶつかった場所だけでなく全体が歪む可能性が大きいから事故車=そもそもの寸法と違ってくる=まっすぐ走らなかったりする=危険=事故車はよくない、となるのです。
 しかし、それも昔の話。今は最初から他の部分に影響が出にくいように設計されていたり、修理の技術も向上し、フレーム修正をコンマミリ単位で行ったりします。
 車も「鉄」でできています、長い時間、長い距離を走っているとボディも歪んできます。どちらがよいかは個別の車両の判断となるので、ここでは割愛します。
 今後米国だけでなく日本での車購入時にも上記の知識があれば、上手なクルマの買い方ができると思います。上手にクルマに乗って楽しいカーライフを送りましょう。

高速走行での視野の変化
 ニューヨークエリアの冬はとても寒いので、冬はクルマにスタッドレスタイヤを履かせた方がよいのではないかという問い合わせをたくさんいただきます。スタッドレスタイヤは、雪や路面凍結には強いですが、雨天時や乾いた道路にはあまり適していません。また、柔らかくアスファルトの上では減りも早いので、除雪が定期的に行われている地域の場合は、よほどの大雪でなければ、オールシーズンタイヤといって、雪道でも雨天時でも晴れでも平均的な適正を期待できるタイヤが無難かと思います。お持ちのタイヤがオールシーズンかどうかは、タイヤ側面に「M+S」と記載されているかどうかで判断できます。もしくは、タイヤの溝の種類でも判別が可能です。
 天気などの自然現象は、私たち人間には予測できないような事態を引き起こすこともあります。これは危険だなと予測される場合は、タイヤの性能に頼らず、安全運転を心掛けたり、もしくは外出自体を控えたりすることも1つの安全策ですので、遠出をする場合などは、天気予報を必ず確認しましょう。
 今年の冬も皆さん安全運転で参りましょう。

otsuka2
プロフィール
大塚 洋一
2004年に(株)ガリバーインターナショナル入社。対企業向けのコンサルティング営業部スーパーバイザーを経て、06年に直営店舗事業部へ転属。日米で店長を経験し、15年2月より米国代表に(NY店店長兼務)。豊富な知識と丁寧な接客に定評あり。緊急時や時間外も対応で心強い。
ガリバーNY支店
2423 Central Park Ave, Yonkers, NY 10710
1-888-629-6587
www.gulliverusa.net