DR.高田洋平 FUNCPHYSIOの気になる体のはなし Vol.4 尿漏れと骨盤底筋群

尿漏れと骨盤底筋群
 こんにちは。FuncPhysioのフィジカルセラピストの山並です。今回は、女性だけでなく男性にも起こる他人に言いにくい悩みについてお話しします。くしゃみや咳、運動をしたときなど、おなかに力が入った瞬間に尿が漏れてしまった経験がある方もいるのではないでしょうか?

また、特に女性の方は月経痛や便秘でお悩みの方も多いと思います。その原因は骨盤底筋群にあるかもしれません。
 骨盤底筋群はいくつかの筋肉の集まりで成り立っており、骨盤の底で膀胱・子宮・肛門・前立腺などを支える役割があります。恥骨から尾骨・仙骨につながっているハンモックのようなものだと想像してください。この筋肉が衰えると骨盤のゆがみの原因になる他、尿もれや頻尿、便秘、腰痛、骨盤痛の原因ともなります。
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 加齢による筋力の低下や肥満は骨盤底筋群の負担になり、機能の低下につながります。女性の場合は妊娠中に骨盤底筋群が伸び過ぎてしまうことで筋力が大きく衰え、骨盤底筋群がうまく働かなるので、出産後にも大きな影響が出てしまいます。
 骨盤底筋群は他の身体の筋肉と同様にトレーニングをして鍛えることができます。骨盤底筋群のトレーニングはケーゲル体操と呼ばれ、筋肉を締めたり緩めたりしてコントロールしながら行う体操です。今回は身体の負担にならない体勢で行える体操を1つご紹介します。

骨盤底筋群のトレーニング
①床に仰向けに寝た状態になり、足を肩幅に開き、膝を立てます。

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②身体の力を抜いた状態から、骨盤底筋群をゆっくり引き締めます。肛門、膣、尿道を締めながら陰部を体の中に引き上げるイメージで5秒キープします。これを10回行います。この際に、呼吸をすることを忘れないでください。また、骨盤底筋群を鍛える際に、腹筋・太もも・お尻・肩の筋肉に力が入らないように気を付けましょう。
 肛門の締め方は尾骨を押し上げるようなイメージ、尿道の締め方は尿を我慢するときのイメージで行いましょう。
 間違ったケーゲル体操は症状を悪化させてしまうこともあります。1度専門家に正しい筋肉の使い方を指導してもらうことをお勧めします。気になる方は、当院まで気軽にご相談ください。

山並絵美 PT, DPT
ミシガン州立大学で運動学を専攻。ロングアイランド大学理学療法学博士号取得(Doctor of Physical Therapy)。自身も学生時代にバレーボールやバスケットボール、サッカーを経験し、スポーツリハビリを得意とする。現在は、FuncPhysioで
ファンクショナル・マニュアル・セラピーの習得を目指し勤務中。
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