弁護士スティーブン・エプステインの知ってて安心! 法律指南 Vol. 43 ◆人身傷害訴訟

 事故により傷害を負い、金銭面またはその他の補償を求める訴訟は、刑事訴訟とは異なり民事訴訟とみなされます。「人身傷害」とは、身体傷害、精神的損害の法的用語です。

この用語は、個人、または組織団体の不法行為によって引き起こされた傷害、または傷害を防ぐために適切な措置を取っていなかったことに対し訴訟を起こすことを示す、最も一般的な用語として使用されています。人身傷害訴訟は、過去にかかった医療費および将来的にかかる医療費、傷害により失われた賃金、心身共に及ぶ苦痛に対する補償(金銭)を得ることを目的とします。
 人身傷害訴訟に勝つためには、以下の3つの基本要素を証明しなければなりません。
①あなたが訴えようとしている個人または組織団体が、何らかの責任義務を負っていた
②その個人または組織団体が、責任義務を履行しなかった、または適切に遂行しなかった
③その個人または組織団体の責任義務が実行されなかった、またはその責任義務を適切に実行していたにもかかわらず傷害が生じた
 人身傷害訴訟の主な種類としては、交通事故、他人の敷地内での事故、転倒事故、家庭や職場内でのさまざまな事故による傷害があります。
 傷害により受け取ることができる補償金額は、その重症度によって異なります。多大な治療費を必要とする深刻な傷害および激しい身体的苦痛、または精神的苦痛を引き起こす傷害は、多額の賠償金を受け取れる傾向があります。傷害を負ったせいで日常生活が送れないなど、その傷害が彼らの人生にどのような影響を及ぼしているかを補償することもできます。
 人身傷害訴訟は、あなたが勝訴した場合の補償金や、勝訴するかどうかを決定させる裁判員と陪審員による評決が下される前に審理にかけられます。あるいは、不確実でストレスの伴う裁判を避けるためにその訴訟を裁判所を通さずに解決することができます。傷害賠償訴訟の過半数は、原告側の弁護士と、被告側の弁護士、保険会社との間で交渉、和解し、裁判になる前に解決されます。ほとんどの場合、保険会社、訴えを起こされた個人または組織団体の弁護士は、その要求金額を支払うことに同意し、傷害を負った原告人はそれ以上の訴訟を放棄することに同意します。
 人身傷害訴訟は、最短30日から数年間以内に提訴しなけらばならない厳しい制限がありますので、できるだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

 
 

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Steven W. Epstein スティーブン・エプステイン弁護士
ブランディーズ大学、ニューヨーク・ロースクール卒。18歳から法律事務所で働き始め、2003年まで弁護士組合員として幅広い分野の訴訟を担当。04年に独立し、「Steven W. Epstein & Assosiates法律事務所」を設立した。取扱い業務は、民事訴訟、会社法(設立、契約)、家庭法(離婚)、刑事訴訟など、多岐に渡る。また、NY市行政裁判所にて非常勤審判官も務めている。

 
 

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