刑務所看守への暴力対策 緊急人員増員などに450万ドル投資

 【14日付ニューヨーク市発表】ニューヨーク市は14日、市矯正局(DOC)の矯正施設において受刑者による看守への暴行が多発していることを受け、約450万ドル(約4億7565万円)を投資する新たな対策を発表した。これにより、矯正施設での安全および警備体制を迅速に強化する。
 6月末までに、危険度が高い4施設で、高度な訓練を受けた緊急サービス隊による巡回の頻度を増やす。また、危険度が高い施設で同隊員に加え特別な訓練を受けた刑務官全員にテイザー銃を所持させ、これらの職員を現行の25人から145人に増やす。刑務官らがテイザー銃を所持した場合、矯正施設内で暴力を抑制する効果があるとされ、市は購入に初年度は24万ドル(約2537万円)を、2年目以降からは年間11万4000ドル(約1200万円)を費やす。
 NYPDギャング諜報課との情報共有、同課の職員の矯正施設への派遣、DOC職員の同課での訓練なども行う。シンシア・ブランDOC局長は、「包括的な手段により、ギャングのメンバーや看守に暴行を振るう受刑者に、われわれは寛容でないという明確なメッセージを送る」と述べた。
 ライカーズ島刑務所では10日、受刑者に攻撃された刑務官が脊椎を骨折する重傷を負っている(関連記事7面に)。
 市は14日、今年中に予定している同島刑務所の閉鎖を早め、各区により安全性の高い同等の施設を建設すると発表した。