DR.高田洋平 FUNCPHYSIOの気になる体のはなし Vol.7 尾骨の「ズレ」に要注意

尾骨の「ズレ」に要注意

 こんにちは。FuncPhysioの山並です。今回は整形外科系の治療ではあまり耳にしない尾骨(びこつ)についてお話ししたいと思います。立ち上がったときや長時間座っているとお尻、または背中の下の方に痛みがある、なんて経験はないでしょうか?

 尾骨は脊柱の最下端にある骨で、仙骨の下端に軟骨結合でつながる骨です(図)。動物で言うと、しっぽの部分にあたります。尾骨は約3から5個の骨が集まって結成されています。自ら動かせる骨ではありませんが、尾骨は全身に影響を与えます。尾骨には内部臓器を支える役割を果たす骨盤底筋群(こつばんていきんぐん) やお尻の筋肉がついている他、骨盤を安定に保つための靭帯や全身の神経が集中するとても大切な部位です。尾骨が痛む場合にはさまざまな原因が考えられますが、その中の1つが尾骨のズレです。
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尾骨がズレる原因
 悪い姿勢のまま長時間座っていたり、過去に尻もちをついたことがあったりということが考えられます。また、日常生活のクセにより、筋肉の強さや硬さのアンバランスが原因で尾骨のアライメント(軸)にも影響が出ます。尾骨がズレれば仙骨、骨盤、脊椎の骨などのゆがみも出てきてしまいます。そのため、尾骨自体に症状がなくても、腰痛や首の痛みを引き起こしてしまうケースもあるのです。
 また、女性の場合妊娠中のホルモンバランスの関係で体の靭帯が緩むことで、骨盤のゆがみや尾骨のズレにも大きく影響が出ます。そして分娩の際に尾骨に大きなズレが生じてしまうことがあります。尾骨のズレによって尾骨に付いているさまざまな組織が効率良く働かなくなり、妊娠中・産後の骨盤痛、尿漏れ、筋力の低下の原因になります。
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理学療法での治療
 尾骨のズレ方や原因はさまざまであり、患者さんによって治療法も異なります。また、尾骨だけではなく、仙骨や骨盤、脊椎のアライメントやその周りの筋肉・靭帯の状態を確認する必要があります。FuncPhysioでは痛みの原因を突き止め、患者さん1人ひとりに合った治療を行いますので、一度ご相談ください。

山並絵美 PT, DPT
ミシガン州立大学で運動学を専攻。ロングアイランド大学理学療法学博士号取得(Doctor of Physical Therapy)。自身も学生時代にバレーボールやバスケットボール、サッカーを経験し、スポーツリハビリを得意とする。現在は、FuncPhysioで
ファンクショナル・マニュアル・セラピーの習得を目指し勤務中。
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