大塚 洋一(Gulliver USA) 車の豆知識 第70回 自分のクルマを高く売るためには?

 皆様こんにちは。まだまだ肌寒い日が続きますが、引っ越しのシーズンが近づいてきました。生活環境の変化に伴い、クルマの売却を検討される方も多いのではないでしょうか? 今回はそのクルマの売却にあたってなるべく高く売るコツをお教えします。

 まずは「状態」についてご紹介します。よくあるご質問で、「今あるキズや凹みは修理して売ったほうが良いのでしょうか?」と聞かれることがあります。このキズや凹みは、もちろんないほうがより高く売れますが、実は修理するコストと見合わないことのほうが多いのです。買い取った業者は目立つキズや凹みは修理してから売るわけですが、そんなに目立たないものは修理せずに現状のまま少し安くして売ることもあります。
 ただし、保険を使って修理できて、なおかつ保険料の値上がりを気にしなくてよい場合は、修理してから売るほうが高く売れる確率が上がります。
 ここで1点注意しておきたいのが、修理してしまうと板金塗装をしたクルマというのはプロが見るとすぐに分かります。元々のキズや凹みの大きさにもよりますが、見た目が直っていても修理履歴があるものよりはないものの方が好まれます。前回ご紹介したCARFAXレポートに修理履歴が残る場合もあります。
 次に「相場」についてご紹介しましょう。クルマだけではなく、普段の食材のお買い物なども含めた全ての取り引きにはこの「相場」が深く関わっています。誰しも自分のクルマを売るなら相場が高い時に売りたいと思うものです。ではクルマにかかわらず、この「相場が高い」というのはどのようなときなのでしょうか?
 これを知る鍵は「需要と供給」です。資本主義社会では、物事の需要が供給より多いときは価値が上がり、供給が需要より多いときは価値が下がります。例えば、コンサートや旅行の価格は平日に比べて週末やホリデーシーズンが高くなっていますよね。これは、大半の方はカレンダー通りに休日があるため、サービスの供給量に対して需要が多くなっているからです。
 「そんなことは当たり前!」というご意見が聞こえてきそうですが、1年の中でクルマの需要が高い時期はいつかご存知ですか? 当然、生活環境が変わったころの4月が需要が高いと言えます。「それも当たり前!」と言われてしまいそうですが、実はその4月よりも3月の方が高く売却できる可能性は高いのです。
 確かに次のオーナーさんが必要としている時期は4月なのですが、そのオーナーさんの多くがクルマを買うのはディーラー(中古車屋さん)からです。ということは、今お持ちのクルマを売却する先は次のオーナーさんではなく、ディーラーということになります。しかし、ディーラー(中古車屋さん)に買い取られたクルマはそのまま店頭に並ぶわけではなく、点検やメンテナンス、ディテールクリーニングなど、いくつかの工程を経て店頭に並ぶのです。
 もうお分かりでしょうか? この工程を4月の小売需要記までに終えておかなければいけないので、3月それも中旬までが相場のピークなのです。年に何回かこのピークはありますが、それは数カ月~半年後のお話です。さらにクルマの相場は階段状に下がるばかりで、株式相場のように高騰下落を繰り返すことはありません。なぜなら会社は経営の努力で改善をしていきますが、車は経年と共に質が落ちる一方だからです。時期が良くても1週前と比べて下がらないくらいで、上がることは基本的にないのです。
 いかがでしょうか? クルマを高く売るというのもいろいろとコツがあり、大変ですね。直前でバタバタしてしまう前にぜひ査定のプロまでご相談ください。

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大塚 洋一
2004年に(株)ガリバーインターナショナル入社。対企業向けのコンサルティング営業部スーパーバイザーを経て、06年に直営店舗事業部へ転属。日米で店長を経験し、15年2月より米国代表に(NY店店長兼務)。豊富な知識と丁寧な接客に定評あり。緊急時や時間外も対応で心強い。
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