Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.84 膝の痛み 〜膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)の特徴と原因

膝の痛み〜膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)の特徴と原因

 膝蓋軟骨軟化症は普通に生活しているだけでも、だんだんと膝が痛くなってくる症状です。

「いつもより多く歩いたから痛くなったのだろう。そのうち治るはず」と放っておくと、次第に階段を上るたびにズキッと痛むようになり、ついには普通に歩いているだけでも痛みが発生します。全く運動をしていなかった人が突然ジョギングやテニスなどの振動を伴う運動を始めたときも、この症状が起こりやすいのが特徴です。
 膝を曲げた際、膝の関節から音が聞こえる人は膝蓋軟骨軟化症の予備軍です。膝蓋軟骨軟化症とは、膝蓋骨(ひざの皿)の裏側の軟骨が大腿骨(太ももの骨)とこすれてすり減り、炎症を起こして軟らかくなる(軟化)、膨らむ(膨隆)、亀裂が入るなど、軟骨に変形が生じる症状です。
 膝蓋骨に負担を掛ける主な原因は、体重による負荷や外部からの衝撃であることが多く、膝の使い過ぎや外傷、スポーツ障害などが挙げられます。スポーツはからだに良いと思って毎日からだを動かしていても、逆にそれが膝を酷使することになり、その結果、スポーツ障害で膝を痛めることになってしまいます。ジャンプのくり返しやジョギングなどで膝蓋軟骨に大きな負荷が掛かるため、長距離ランナーやジャンプが必要なスポーツ選手に多く見られます。
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 膝を強打するような外傷は、高い確率で膝を痛める原因となります。膝蓋骨が脱臼してずれている状態も軟骨への摩擦を促進します。膝蓋骨の脱臼は骨や関節の形が悪いことでも起こりやすくなります。これは別の病名で膝蓋大腿関節不適症候群として知られています。
 膝の関節のずれや骨の変形は老化によっても引き起こされ、膝蓋軟骨軟化症につながります。老化による関節のずれや骨の変形により、膝に掛かる負荷が均等に分散されず、特定の箇所に負担が集中するようになります。X脚(内股)またはO脚である、膝蓋骨の形が悪い、膝蓋骨が通常よりも高いまたは低い位置にある、膝蓋骨が内側を向いている、膝蓋腱が長いなどの要因が、膝蓋骨への負担を増大させ摩耗を早めます。
 不自然な歩き方も大きな要因の1つです。つま先が内側を向いた状態で地面を蹴ったり、ハイヒールを履いて膝が曲がった状態で歩いたり、坂道やぬかるんだ道など不安定な道を歩いたり、アスファルトなど硬い地面を長時間歩くのも良くありません。
 薬や注射で痛みを止めたり、手術をしたりせず、その根本原因を治癒するカイロプラクティックは、膝蓋軟骨軟化症の治療および予防にも有効です。関節や筋肉のバランスを整え、関節機能を正常に戻します。膝の痛みがある方は、当院にご相談ください。

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Dr. 石谷三佳
石谷ヘルスセンター院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

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