大腸菌ウヨウヨ…ブルックリンのビーチ 入江に滞留、「コレラ時代」の下水システム

 【6月30日付ニューヨークポスト】ニューヨーク市保健精神衛生局によると、一昨年と昨年の夏、ロッカウェー半島の北部に位置するブルックリン区の海水浴場で、市の基準値以上の大腸菌が検出されていたことが分かった。
 大腸菌の検出量が多かったのはマンハッタンビーチおよびキディービーチ、キングスボローコミュニティ大学前ビーチの3つ。マンハッタンビーチとキディービーチは2015年、市が基準値とする100ミリリットル中の大腸菌104CFUを超える日はなかったが、16年はマンハッタンビーチで基準値を超える日が2日、キディービーチは15日あり、昨年はマンハッタンビーチが10日、キディービーチは17日だった。キングスボローコミュニティ大学前ビーチは15年が15日、16年が30日、17年が27日だった。これらのビーチはいずれも入江になっているため、菌が滞留しやすいとされる。

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 同局は毎週または隔週ごとに、市内8カ所の公共海水浴場と17カ所の私有海水浴場の水質を調査。検出された大腸菌が基準値を超えると警告を掲示し、5週間の平均が35CFU以上で閉鎖しなければならない。昨年、市内の公共海水浴場で警告が掲示された日数は合計12日。閉鎖されたビーチはなかったという。
 市内の海岸沿いには460カ所の排水溝があり、ニューヨーク湾に直接流れ込む下水や汚水は年間270億ガロンに上る。市は、大腸菌が多かったのは降水量が多かったためとしている。
 「市発展の副産物だ」と話すのはニューヨーク市の環境支援団体、リバーキーパーの代表、ダン・シャプリーさん。「コレラで人が死んでいた時代の設備」と市の下水システムの古さを指摘し、できるだけ早く改善するよう求めている。
 大腸菌に感染すると、下痢や嘔吐などの症状が現れる。

※写真はイメージです

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