大塚 洋一(Gulliver USA) 車の豆知識 第74回 中古車の買い方 〜高い、安いの理由

 米国に赴任し、車が必要になるといっても買い物くらいにしか使わないのだから3年から5年の期間で最も経済的に乗れる車を探しているという人は非常に多いです。今回は、中古車を購入する際に、新車当時の値段と中古の値段との差額からリセールバリュー(再販価値)を予測する豆知識をご紹介します。

 新車からの値段の下落幅が小さいものが、結果としてリセールバリューが高く、最も経済的といえます。人の心理としては、節約したい場合、初期投資を抑えたり割安感のあるものに手を出したりしがちですが、リセールバリューの観点からすると、実は真逆なのです。
 割安感のある車は、車を所有している間に価値が下がり続けます。また、なかなか売れないから安く売りに出されているのですが、販売店側は在庫回転の早い人気車種よりも在庫維持のためのコストが多くかかる分、マージン(差額利益)を多く取る必要がありますので、割安感のある車の価値は予想以上に低いことがあります。
 その他のポイントとして、人気車種は中古でも価格は新車とあまり変わらないことが多いので、少し予算を追加すれば同車種の新車が買えますが、前提として新車から3年間は車の価値が下がりやすいので、やはり中古の方が経済的になります。
 中古車には、明確な中古車価格というものは存在しません。例えば、「2010年式トヨタカローラLE走行距離3万マイル」という中古車があったとしましょう。大手C社では1万2998ドルから1万3998ドルで販売されています。これが中古車相場検索サイトの「ケリーブルーブック」では1万3725ドルと算出されました。ですが、その他の検索サイトで探すと約1万ドルから1万5000ドルの範囲で同じような条件の車が出てきます。
 購入する側からすれば安ければ安いほど条件が良いと感じますが、中古車には必ず相場というものが存在しますので、相場よりも1000ドル以上安い場合は、「それなりの」理由があると考えるべきです。前述のカローラでいえば、1万2000ドルほどで売られている場合は相場よりも異常に安いので、注意が必要です。
 また、金額設定が高いだけの車も存在します。1万5000ドルで売られていても、それが必ずしも品質の良い車かというと、そうではありません。事故歴の有無、実際の車のダメージと修理歴、納車後の保証、整備の内容などを必ず確認して、その金額の妥当性を確かめてから購入する必要があります。
 ちなみに、当社調べによると、中古車店CARFAXは大手ですが、「フレームダメージ」を伴っている車両なども多く扱っています。フレームダメージとまでいかなくても、板金塗装をしてある車は非常に多いです。自動車保険が高いことからも分かるように、米国では接触事故が多いので、多少の傷や板金塗装歴など、米国人からすれば当たり前なのかもしれません。米国ではこの履歴をお客さんに隠して(意図してなくとも告知せずに)販売する販売店がほとんどなのですが、日本人としてはあまり気持ちの良いものではありませんよね。

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大塚 洋一
2004年に(株)ガリバーインターナショナル入社。対企業向けのコンサルティング営業部スーパーバイザーを経て、06年に直営店舗事業部へ転属。日米で店長を経験し、15年2月より米国代表に(NY店店長兼務)。豊富な知識と丁寧な接客に定評あり。緊急時や時間外も対応で心強い。
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