【19日付ニューヨークタイムズ】ウエストビレッジに住む音楽家の坂本龍一さんは、マレーヒルにある精進料理の店、嘉日がお気に入り。しかし、そこで流れるBGMが耳障りだった。そこで、「桂離宮のように美しい料理に、トランプタワーのような音楽は似合わない」と、シェフに電子メールを送付。プレイリストを作成する仕事を買って出ることにした。もちろん無料で。そのリストの中には、坂本さんの作品はない。
耳を澄ますと、ゆっくりとした、空間の広がりを感じさせる、ピアノのソロが聞こえてきた。続いて、映画のテーマ音楽や、即興と思われる曲。歌声も聞こえてきたが、英語ではなかった。ジャズサックス奏者のウェイン・ショーターがブラジルの歌手、ミルトン・ナシメントらと組んで作成した「ネイティブダンサー」からの曲もあった。総じて、坂本さんの深い音楽知識がにじみ出た、感受性と個性にあふれた選曲だ。
公共の場で流れる音楽が耐えられないと、「その場を去る」という坂本さん。このレストランだけは違ったようだ。プレイリストは四季折々、変えていくという。
「トランプタワーのような音楽は似合わない」 坂本龍一さん、和食店のBGMを選曲
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