NYPD「海外駐在署」が活躍 テロ対策として発足、犯罪捜査も

 【21日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク市警察(NYPD)は、海外に「駐在署」を配置、テロ関連情報収集のみならず犯罪捜査で効果を上げている。
 NYPDの海外駐在は、レイモンド・ケリー前本部長が非営利団体のNYPD財団からの資金援助を得て2003年に開始。現在、フランス、イスラエル、シンガポール、オーストラリアなど世界16都市に14人の警官を派遣している。01年の9.11同時多発テロを受け、当初の目的はテロ関連情報の収集だったが、近年は犯罪捜査の比重が多くなっているという。例えば、17年12月、マジソン街の貴金属店で80万ドル相当の高級腕時計が強奪された事件では、その一部を中東ヨルダンのアンマンにある質店で発見した。最近では、今月5日、イースト川に乳児を遺棄した後、海外逃亡を図ったジェームズ・クーリエ容疑者を3日後、タイの空港でスピード逮捕。「なんでこんなに早く来られたのか?」と同容疑者は呆気に取られていたという。
 一方で米連邦捜査局(FBI)や米中央情報局(CIA)は、「海外駐在署の捜査は、目的がはっきりせず野放し状態」と批判する。また、NYPD財団には外国政府からの寄付もあることから、外国に情報が流れることを懸念する声も挙がっている。

海外駐在署が配置されている場所

海外駐在署が配置されている場所