Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.88 予防医学としてのカイロプラクティック(1)

職場や家庭での腰痛防止

 米疾病予防管理センター(CDC)の報告によると、日本や米国のような先進国では、一生のうち一度は腰痛に悩まされる人の数が、全人口の70%を占めるそうです。従業員の腰痛は多くの企業にとっても悩みの種となっており、 既往の腰痛治療を行うだけでなく、積極的に予防に取り組む企業が増えています。

たとえば立ちながら仕事をする「スタンディングデスク」を取り入れたり、カイロプラクティック医を招き、仕事中の姿勢や荷物の持ち方などの指導を受けたりする企業もあります。
 米労働安全衛生管理局によると、腰痛の発生しやすい労働条件は次のようなものです。

●重い荷物を取り扱う仕事
●長時間にわたり筋力や持久力を必要とする肉体労働
●デスクの前などで同じ姿勢で座り続ける仕事
●不自然な姿勢を長時間にわたって強いられる労働
●常に振動を感じ続ける労働

 カイロプラクティクでは、仕事や家庭での腰痛予防において、適格な判断と知識を基に指導していきます。診療では問診と検査を通して患者の労働状況を探り出し、どのような姿勢や環境が腰痛の原因になっているのかを調べます。原因が分かると、理学療法やマニピュレーションと呼ばれる脊椎(首、背中、腰の骨)の調整をすることで痛みの緩和を図ります。さらなる腰痛予防のためのリハビリや筋力トレーニング、ストレッチ、腰に影響を及ぼしにくい姿勢や、物を持ち上げる際のテクニックなども指導します。
 家庭での環境改善も重視します。たとえば適度な運動や栄養バランスの取れた食生活、無理な姿勢を強いる仕事の改善方法や、家具の配置などについての助言も行います。
 カイロプラクティック医は予防医学としてのカイロプラクティックや予防対策を社会に広げ、指導していくのです。
 しかし、痛みを慢性化させない最善策は早期処置です。今回は腰痛を主な例として取り上げましたが、長時間のスマホ操作によって頸椎のカーブが失われる「スマホ首」や肩凝りなど、慢性化しやすい他の症状についても同様です。

こんな症状の人におすすめ!
肩凝り、腰痛、膝の痛み、外反母趾、足のむくみや冷え、O脚、足のタコやマメなど。


Dr. 石谷三佳
石谷ヘルスセンター院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

石谷ヘルスセンター
1600 Parker Ave Fort Lee, NJ 07024
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