連載168 山田順の「週刊:未来地図」 社会を分断する「人種差別」の罠 (下) 「人種により知能は異なる」という不都合な真実

年間平均気温と学力(IQ)は反比例する

 IQに関しては、もう1つユニークな調査結果がある。
 年間平均気温が高い国の国民は、平均気温が低い国の国民に比べて、IQが低い傾向があるということ。また、一国のなかでも、年間平均気温が高い地域の学生は、気温が低い地域の学生に比べてIQが低い傾向があるとうことだ。
 たとえば、沖縄の年間平均気温は摂氏約24度と日本本土に比べたら圧倒的に高い。ただし、沖縄の子どもたちの学力テストの成績は、本土の子どもたちより低い。これは、年間の平均気温の差とする見方がある。
 暑いところに行けば行くほど、学力は落ちるというわけである。
 アメリカでは本当にユニークな調査・研究が行われている。その1つに、試験を受けた部屋の気温と数学の成績の関係を調べたものがある。それによると、室内の気温が21度を超えると数学の点数が下がり、26度以上になるとさらに大きく下がることが判明している。
 つまり、気温とIQは反比例するわけだ。
 で、ここで余談になるが、赤道直下の国シンガポールの国別IQが世界一で、子どもたちの学力も世界トップクラスなのはなぜなのだろうか? それは、エアコンが普及したせいに違いない。
 気温とIQが反比例するなら、アフリカや中南米、東南アジア、中東の国々のIQが低いのは、高温の気候のせいと言える。ならば、そういう地域で長年暮らしてきた民族が、IQが低くなるのは仕方なかったのかもしれない。

運動神経より知能のほうがサバイバイルに重要

 さて、ここで最後に言いたいのは、これまで述べてきた人種により知能に差があるという「不都合な真実」は、それによって人種差別する理由にはならないということだ。
 たしかに黒人は平均的にほかの人種より知能が低い。そして、それは遺伝によるもとされるが、では、ほかの部分はどうだろうか?
 こういうことを書くのもタブー視されるが、あえて書くと、黒人は運動神経の面では、白人やアジア人に比べて圧倒的に優れているのではなかろうか。おそらく、アフリカの地では、運動神経がサバイバイルするにあたっての最大の武器だったはずだ。だから、そちらのほうが遺伝的に強く受け継がれた。
 しかし、近現代社会では、運動神経より知能のほうがサバイバルにとって重要になった。ただ、それだけの話ではないのか。
 とすれば、知能だけで差別していいわけがない。
  黒人の平均的なIQが低いということが真実としても、それによって差別したりするのは、白人中心に進歩してきた近現代社会の「一方的な価値観」といえるのだ。
(了)

【山田順】
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。
2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。
主な著書に「TBSザ・検証」(1996)「出版大崩壊」(2011)「資産フライト」(2011)「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)など。翻訳書に「ロシアンゴッドファーザー」(1991)。近著に、「円安亡国」(2015 文春新書)。

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