Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.89 坐骨神経痛

 坐骨神経痛はカイロプラクティックが治療する代表的な症状です。また、妊婦の代表的な症状でもあります。坐骨神経は、体にある神経の中でもっとも太く長く、直径は最大で親指の太さほどもあり、腰からつま先まで伸びています。この神経が刺激を受けたり周辺組織の炎症によって影響を受けたりしたときに、腰から足にかけて痛みが走ります。腰は痛くないのに足だけ痛いといった場合もあります。これらを総称して坐骨神経痛と呼びます(右を参照)。
 体の左右に1本ずつある坐骨神経は、腰椎から枝分かれして出ている5本の細い神経が集まってできています。お尻で1本の太い神経になり、それが足の先まで伸びています。背骨の動きや位置が正常でないと、神経が圧迫され炎症が起きることで症状が出ます。1つひとつの脊椎の間にある椎間板が出っ張って起きる椎間板ヘルニアを併発することもあり、それが坐骨神経の根元を刺激したり圧迫したりすることがあります。その場合は、片足または両足に激しい痛みが走るなど、多くの症状が出ます。
 整形外科的な治療では、痛み止めや筋肉弛緩剤、理学療法を用い、さらには手術も行われてきました。しかしカイロプラクティックでは、物理的に背骨の構造を改善できるため、薬や手術に頼らず治療することが可能です。同時に、理学療法を併用したり、低周波、けん引、超音波で治療したりする場合もあります。
 坐骨神経痛は、背骨から始まる他の症状と同じく、カイロプラクティックで正常な背骨の機能を回復することにより大幅に改善される例が多いといわれています。坐骨神経痛をカイロプラクティックで治療した場合の回復率は、通常の治療法よりも8%から9%高いとの研究報告もあります。

坐骨神経痛の症状
 坐骨神経痛の痛みは、人によっては非常に深刻で、体力や気力を消耗させることがあります。一方で、たまに起き、不快ではあるがそれほど気にならない場合もあります。通常は体の片側だけに起き、お尻から脚への放散痛を伴うことが多いのが特徴です。次のような症状があったら、カイロプラクティック医を受診することをおすすめします。

●お尻と足が痛く、座ると悪化する
●足先に向かう、ヒリヒリ・チクチクする感じがある
●脚や足先に力が入らず、またはしびれた感じがして動かすのが難しい
●常にお尻の片側が痛い
●腰から足にかけて激しい痛みが走り、立ち上がりにくい


Dr. 石谷三佳
石谷ヘルスセンター院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

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