元受刑者の遺族、財産没収に合意 高級車に金貨、アート作品まで

【5日付ニューヨークポスト】ロングアイランドで2007年、詐欺などの罪で実刑が確定し、服役中の16年に61歳で死亡したデビッド・ブルックス元受刑者の遺族は5日、元受刑者が所有していた巨額の財産を没収されることで、ニューヨーク州の連邦検事局と合意した。
ブルックス元受刑者は防弾チョッキ製造を手掛けるDHBインダストリーズの創業者。07年に2億ドル(約227億円)の窃盗および株式詐欺で有罪判決を受け、懲役17年の実刑判決および賠償金の支払いなどを命じられた。再審請求中の16年に獄中で死亡した。
残された元妻のテリーさんと3人の子どもは今回の合意で、十数個の高級時計や宝石、06年式の高級車ベントレー、05年式のフェラーリ、南アフリカ発行のクルーガーランド金貨3500個、金融街の雄牛の銅像のレプリカ、約20の銀行および投資口座に預けられた1億4300億ドル(約162億円)相当以上を没収されることになる。ただし、遺族は約2480万ドル(約28億円)の現金とわずかなぜいたく品を手元に置くことを許された。
ロングアイランド連邦地裁の判事は、合意について「今後何年にも及びかねない遺族との裁判を避けることができ、公正かつ公平な妥協策だ」と述べた。没収品は、ブルックス元受刑者にだまされたとされる、数千人の投資家の損失分約90%の補償に充てられるという。