Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.90 安全な雪かき

 11月15日、この季節初めての雪が降りました。皆様は腰などを傷めずに雪かきができましたか? 雪が多い米北東部に住んでいる以上、私たちは毎冬、雪かきとお付き合いしなければなりません。
 雪かきは重労働で、やり方によっては首や腰の筋肉を痛めてしまう場合があります。雪かきを安全かつ効率的に行うには、まずはシャベルに車輪が付いたタイプのもの(push blade with wheels=日本でいうスノーダンプsnow scoop)を選びましょう。
 雪かきをするときは、首の筋肉を傷めやすい、「すくい上げ方式」ではなく、比較的楽にできる、「押し方式」で行いましょう。もし雪が深く積もっているなら除雪機をおすすめします。
 次の「雪かきガイドライン」にのっとって行えば、腰などを痛めずにすみます。ぜひ参考にしてください。

1.雪の降り始めに雪かきをする。2〜4インチ以上積もった場合は、雪かきはしない。吹雪いているときは頻繁に雪かきをする。重い雪を持ち上げると首や腰に大きな負担がかかるので注意
2.硬く凍った雪の雪かきはしない。凍結した雪を崩し、持ち上げて雪かきをすると、首や肩、腰の筋肉を痛める原因になる
3.(前述の)「押し方式」で行う
4.使用するシャベルの先端は鋭い方が便利
5.使い慣れたシャベルを使う
6.手は、ハンドルとシャベル部分の中間に置く
7.少しずつ行う。大量の雪を一度に掃除しようなどと無理をしない
8.近くの雪からかき始める
9.シャベルに雪を乗せたらなるべく体の近くで支えて持つ
10.かがむときはひざを曲げて腰と首をまっすぐに保つ
11.太ももを支えにしてシャベルを使う
12.左右の手足を交互に使う
13.雪を投げるときは短い距離にする。遠くに投げない
14.休憩を頻繁に取り、筋肉を休ませる

 これらの注意点を、「当たり前」と思う人も多いでしょう。しかし、頭で分かってはいても実際には守れない場合が多いようです。万が一、首や肩、腰の筋肉を痛めてしまったなら、カイロプラクティック医に相談しましょう。


Dr. 石谷三佳
石谷ヘルスセンター院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

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