更生施設入所の少女を売春に利用 NY州内の15人が被害

 【13日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク州内の福祉施設に入所する精神的に問題のある未成年の少女らの売春に関与したとして、米連邦捜査局(FBI)とニューヨーク市警察(NYPD)はこのほど、22歳から59歳の11人を、未成年者を対象にした売春目的の人身売買などの疑いで逮捕した。ニューヨーク南部連邦検事局が13日発表した。今年8月に同様の容疑で逮捕されていた8人と、行方を追っている1人の身元も明らかになった。
 19人の容疑は2010年から今年10月までの間、州内の更生施設に入所していた13歳から18歳の少女少なくとも15人に近付いて脅すなどして売春させたなどというもの。
 被害者のうち9人が、ウエストチェスター郡マウントプレザントの更生施設、ホーソン・シダー・ノールズに入所していた少女だった。同施設は命の危険にさらされた、または精神的に問題のある少年少女を保護し、住居を与え厚生させる、州が公認した施設。ここ数年にわたり、同施設から行方不明になる少女の数が急増していたことから、施設の職員や地元警察、子どもの擁護団体らが調査。一部が売春に利用されていたと気付いていたという。職員は売春に関与していなかったという。
 ホーソン・シダー・ノールズの運営委員会は今年初めに同施設の年内閉鎖を発表。段階的に閉鎖が進められており、現在施設に残っている子ども6人は18日までに他の施設に移送される予定。