入国禁止国出身者の芸術作品を展示 「望郷と恐怖体験、理解して」

 【13日付amニューヨーク】クイーンズ区のフラッシング・メドウズ・コロナ・パークのクイーンズ美術館は15日から、トランプ政権が入国禁止に指定したイスラム諸国出身のアーティストの作品を紹介する特別展「エグゼクティブ・(ディス)オーダー: アート、ディスプレースメント&ザ・バン」を開催。シリア、リビアなどからの11人が参加している。
 子どものときにソマリアからやって来たイフラ・マンスールさんは、布や竹で伝統的な遊牧民の住居のミニチュアを制作。その中に自作の詩、「私は移民」を入れた。リビア出身のリーム・ジブリエルさんは、故郷の家の思い出を枕と音、花の匂いにまとめ、「記憶の感覚」のタイトルで発表した。イラン出身のノーシン・ロスタミさんは、幾何学的な墨絵で建物に登る人を表現。「長年渡航が禁じられた末に、ついにどこにでも行けるという意味を込めた」という。
 同美術館の学芸員で自身もアーティストのオスマン・キャン・イェレバタンさんは、「世界各地で活動するアーティストにとって、(入国禁止令などの)被害は、目新しいことではない」と話す。イェレバタンさんは、「行きたいところに行けない、常に恐怖にさいなまれるとういことが現実に起こっている」と指摘。アーティストの体験を理解しながら芸術作品を楽しんでもらいたいと、来場を呼び掛けている。

クイーンズ美術館の公式ホームページより