大塚 洋一(Gulliver USA) 車の豆知識 第80回 車台番号(VIN)

 みなさんこんにちは。ガリバーニューヨーク店の大塚です。
 全ての車には車台番号「Vehicle Identification Number(VIN)」が刻まれているのをご存知でしょうか? 今回はこのVINに隠された情報について取り上げたいと思います。
 まず、VINは通常、17桁の英数字で構成されています(例:4T1BE32KX6U741196。ちなみに1970年代以前の車は13桁でした)。3桁目から9桁目で車種(モデル)とエンジンの型を表し、11桁目から17桁目が車のシリアル(個車区別)ナンバーです。ただしこのシリアルナンバーは不正使用を防ぐために通し番号にはなっていません。

 1桁目は製造国(組み立て地)を表しています。数字の1、4、5は米国製、2はカナダ製、3はメキシコ製、Jは日本製、Yはスウェーデン製、Sは英国製、Wはドイツ製です。ここで注意しなければいけないのが、あくまで最終組み立て地が記されているだけで、部品全てがこれらの国で製造されているわけではありません。逆に言うと、日本車だからといって日本で製造(組み立て)されているとは限らないのです。
 2桁目は基本的に製造元(メーカー)のイニシャルを表しています。トヨタはT、日産はN、ホンダはHなどです。Sにはスズキ、サーブ、スバル、GにはGM系米国メーカー全てなど、イニシャルが重なる場合もありますが、そのまま表記されます。スバルは富士重工のFで表記される場合もあります。また、OEM(委託者ブランド名製造)の場合にはどちらのイニシャルでないものが使われることが多く、レクサスなど高級ブランドの場合は親会社のイニシャルが使われます(レクサスはトヨタなのでT、インフィニティは日産なのでN。ただし、車種によって例外もあります)。
 10桁目はモデル年式を表しています。発売年式や販売年式とは異なり、「何年式の車?」という場合は通常、このモデル年式を指します。とはいえ1桁では9年間しか表せないので、工夫がされています。ところで、懐かしの単語、【Y2K】を覚えていらっしゃるでしょうか? これは西暦2000年のミレニアム年に流行った「Year 2 kilo」をもとに考案されたもので、2000年式はY、01年式は1、02年式は2というように数字で09年まで続きました(I、O、Q、Uは他の数字やアルファベットと混同しやすいために除外)。10年はA、11年はB、13年はCです。ちなみに1999年はX、98年はW、97年はVというようにアルファベットを遡っていきます。80年のAが最古で、それ以前はこの数え方は適用されていません。
 ただの英数字の羅列と思いきや、いろいろな意味が込められていたんですね。う~ん、深い…。

大塚 洋一
2004年に(株)ガリバーインターナショナル(現:(株)IDOM)入社。対企業向けのコンサルティング営業部でスーパーバイザーを経て、06年に直営店舗事業部へ転属。その後日米で店長を経験し、現在は全米のEコマース事業を手がける。豊富な知識と丁寧な接客に定評があり、緊急時や時間外も対応。
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