エレベーターに3日閉じ込め 「前代未聞」、家政婦を無事救出

 【28日付ウォール・ストリート・ジャーナル】マンハッタン区アッパーイーストサイドの邸宅で28日、故障して止まっていたエレベーターの中から女性が救出された。女性はこの邸宅で家政婦を務めるクイーンズ区のマリテス・フォータリザさん(53)。ニューヨーク市警察(NYPD)によるとフォータリザさんは脱水症状を起こしており、3日前の25日午後から閉じ込められていたと話した。
 邸宅は東65丁目48番地にある5階建てのタウンハウスで、アーカンソー州を拠点とする金融サービス会社ステファンズの会長、ウォーレン・ステファンズ氏の所有。28日午前、同氏の家族らが訪れた際にエレベーターが止まっているのを見つけ、市消防局(FDNY)に通報。隊員が斧などを使ってエレベーターをこじ開けたという。
 市建設局のデボン・シモンズ検査官は、1999年に男性が40時間、2005年にも81時間閉じ込められたことはあるが、3日間は「前代未聞」と驚く。ステファンズ氏は声明で「フォータリザさんは18年間、わが家で働いてくれている。今回のようなことが2度と起こらないよう対処する」と謝罪した。
 警備員が常駐しない個人所有のエレベーターは、外部の人間に非常事態を伝える警報を設置することが義務付けられている。エレベーター会社は昨年7月、市建設局に安全検査では問題なしと報告していた。

東65丁目48番地の邸宅(中央)