未解決の殺人事件、地域に偏り NYPDデータ分析

【1月31日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク市では殺人事件の認知件数が記録的に減少しているが、特定の地域に限っては、殺人事件の多くが未解決のままであることが、ウォール・ストリート・ジャーナルの市警察(NYPD)データ分析により明らかになった。
 NYPDが昨年認知した殺人事件の数は、289件とここ数十年で最少。2013年から17年に起きた殺人事件の数は1647件で、そのうちの70%は解決している。家庭内暴力(DV)による殺人を除いても、64%が解決していた。しかし、未解決の殺人事件481件の約半数は、11の分署の管轄地域で起きている。
 半数以上はブルックリン区で発生し、解決した事件は全体の53%。同区カナルシー地区を管轄するNYPD第69分署では、同時期に起きた、DVを除いた殺人事件20件のうち解決したのは4件だけで、市の77の分署のうちで最低の確率だった。
 ダーモット・シェア刑事部長は未解決事件の地域的偏りついて、目撃者が捜査に協力しない傾向が高いギャングや薬物関連の事件が特定の地域に集中すること、防犯カメラが少ないことなどを挙げた。また、殺人事件の解決件数よりも、認知件数を減らすことに重点を置いていると明かし、「50件のうち半数解決するより、10件中1件解決する方が良い」と話した。