DR.高田洋平 FUNCPHYSIOの気になる体のはなし Vol.19 胃もたれと便秘にも理学療法を

 つらい胃もたれや便秘。お腹の違和感や痛みで仕事に集中できないなど、日常生活に悪影響が出ることもあります。食生活や生活習慣を変えても、すぐに症状が戻ることもあるかもしれません。
 内臓は平滑筋という筋肉でできていて、体に付いた一般的な筋肉と同様に伸びたり縮んだりする働きがあります。その伸び縮みがうまくできなくなると、内臓がくっついたり(癒着)、硬くなったりして内臓機能の低下につながります。内臓を覆う筋膜の柔軟性の低下にも注意が必要です。
 内臓や筋膜の癒着や硬化の原因は、外傷、腹部への衝撃や圧迫、水分不足、内視鏡や切開の術後、食べ物によるアレルギー反応などです。他にも日頃から腹式呼吸ができていない場合や、姿勢を保つために腹筋を使いすぎて腹部が固まることで引き起こされることもあります。

 胃腸の動きが悪くなると、正常な消化活動が行われにくくなります。胃の周辺に制限がある人は、胃もたれや逆流性胃炎、胃痛などの症状に、大腸に制限のある人は便秘や腹痛などの症状につながります。
 内臓やその周りの組織の癒着や動きの制限からくるこれらの症状は、「内臓モビリゼーション」という腹部への治療方法で改善されることがあります。ファンクフィジオでは内臓とその周りの軟部組織への治療を行っています。セラピストが内臓が硬くなった場所を触診で特定し、的確な方法で凝りをほぐします。また、自宅で自分でできるマッサージやエクササイズの指導も行います。
 正しい食生活、十分な睡眠、ストレスマネジメントなど生活習慣の改善とともに、理学療法の治療で内側から健康な身体を手に入れましょう。

山並絵美 PT, DPT
ミシガン州立大学で運動学を専攻。ロングアイランド大学理学療法学博士号取得(Doctor of Physical Therapy)。自身も学生時代にバレーボールやバスケットボール、サッカーを経験し、スポーツリハビリを得意とする。現在は、FuncPhysioで
ファンクショナル・マニュアル・セラピーの習得を目指し勤務中。

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