親元から追放されたLGBTQの若者 たどり着くのはNY市

 【25日付amニューヨーク】米保健福祉省の薬物乱用および精神衛生サービス局(SAMHSA)の調べによると、性的指向を理由にLGBTQの若者は親元から追い出される傾向にあり、ニューヨーク市はその若者たちが集まる「メッカ」になっている。
 市が2017年にまとめた調査によると、市で生活する24歳未満のホームレスは約2000人。市を拠点に活動する全米規模のLGBTQの若年ホームレスの支援団体、アリ・フォーニー・センターの追跡調査によると、その内の1600人はLGBTQだった。彼らが一時的に身を寄せるシェルター、ニューオルタナティブの責任者、ケート・バーンハートさんは「LGBTQの若者は全米から集まってくる。ただし、ここで生き残るのは容易ではない」と指摘する。シェルターで必要最低限の生活は確保できても、勉強に集中できるような環境ではなく、安全性にも問題があるからだ。
 ビクター・マーコフさん(20)は女性の体に生まれながら男性の心を持つトランスジェンダー。両親から心身両面で虐待を受けたと明かした。奨学金を得てニューヨーク大学に通うが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を患っており、毎朝、寮の部屋のベッドから起き上がるのもつらいという。学業もおぼつかない。マーコフさんによると同性愛者であることを親に打ち明け、仕送りが途絶えて退学した学生もいるという。

ニューオルタネティブの公式ホームページより