カイロプラクティックとは何か？
「カイロプラクティック」という言葉は知っていても、実際どういうものなのか、知らない人が多いのではないでしょうか。米国のカイロプラクターは理科系の４年制大学を卒業後、さらにカイロプラクティック専門大学で勉強し、国家試験に合格した医療専門家です。カイロプラクティックは、投薬や手術に頼らずに、体が本来持つ自然治癒力を引き出すことにより、さまざまな疾患やけがを治していく保険適応の医学です。
体の「全体像」を診る
腕が痛いと、私たちは腕のどこかが悪いと考えますが、本当に悪いのは腕ではないかもしれません。カイロプラクターは腕だけではなく、体の「全体像」を診ます。私たちは他の専門医同様、患者からまず、症状、治したい場所、過去のけがや病歴などについて聞く問診から始めます。その後、ようやく検査に取り掛かります。背骨や関節機能、整形外科的検査、神経系の検査を行い、しっかりと症状を把握します。必要であればレントゲンやＭＲＩなどの画像診断を行います。
原因の「根っこ」を探す
次に問診と検査をもとに正しい診断を下します。私たちは単に痛みを緩和させることを目的に治療をするわけではありません。なぜそのような症状が起きたのかを見直し、今後、同じような症状が出ないように、根本から治療をしていきます。原因の「根っこ」を、どうしたら確実に取り除けるのかを調べていくのです。
「根っこ」を治療する
例えば、背骨の関節がずれ、そこにある神経が圧迫されて周辺機能に影響が及んでいる状態をカイロプラクティック用語で「サブラクゼーション」と言います。サブラクゼーションは、肉体的ストレスでだけでなく、精神的ストレスや体内の化学物質の変化が原因で起きることがあります。私たちはサブラクゼーションの原因を突き止め、サブラクゼーションが体のどの部位に不都合を起こさせるのかを把握しながら治療します。それは手技であったり、精神的なストレスを回復するための脳トレーニングであったり、ときには、科学的物質のバランスを整えるための栄養指導であったりします。
手技では、背骨を中心とした関節や筋肉や靭帯、腱を調節することで体の機能を向上させていきます。指圧やストレッチで感じるような「痛気持ちいい」感覚はあるかもしれませんが、ボキっと音が鳴ったとしても痛くはありません。カイロプラクティックは「骨をボキっと鳴らす治療」でもなく、ましてやマッサージでもありません。マッサージのように感じる場合があるかもしれませんが、私たちが体の各部を撫でたり、押したりしているときは、関節の調節をしたり、軟部組織の癒着を取り除いたり、神経の伝達を回復させたりと特別な目的をもって行っているのです。
カイロプラクティックの目的は、脊椎を中心とした神経系の働きを高め、体が持つ自然治癒力を最大限発揮させながら、投薬や注射、手術をせずに回復させることです。さらに言えば、投薬や手術に頼らず回復できる強い体づくりと、健康であり続けられる体づくりのお手伝いをすることです。
Dr. 石谷三佳
石谷ヘルスセンター院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。
石谷ヘルスセンター
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