ホロコーストの証言、舞台で再現 語り継ぐ悲劇、セラピー効果も

 ヨーロッパ戦線における第2次世界大戦終結は1945年5月8日。同戦線の悲惨さを象徴するのはナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺「ホロコースト」だろう。生存者の高齢化が進み、彼らの証言は年々、貴重なものとなっている。
 6日付amニューヨークは、ユダヤ人支援団体セルフヘルプ・コミュニティー・サービシーズが主催する「ウイットネスシアター(目撃者劇場)」についてレポートした。これはホロコースト生存者の証言を学生たちが舞台で再現するプログラムで、連合国軍がユダヤ人収容所を解放したこの時期に合わせて毎年、参加校を変えて行われている。今年の持ち回りは、ブルックリン区フラットブッシュの超正統派ユダヤ教私立学校(イェシーバー)だ。
 アウシュビッツ収容所の「生き残り」の1人、フレッド・テルナさん(95)の体験はペリー・サンダースさん(17)が再現。「知るだけではなく記憶してほしい」とテルナさん。屋根裏に2年間、森の中に半年隠れて難を逃れたミリアム・タイルクさん(90)の体験はレベッカ・クーパースミスさん(17)が演じる。クーパースミスさんは「信じられないような話。日々感謝することを教えられた」と神妙な面持ちだ。
 「悲劇を語り継ぐだけでなく、生存者が自分をさらけ出して癒やされるセラピー効果もある」と話すのは、セルフヘルプ・コミュニティー・サービシーズの広報担当、サンディー・マイヤーさん。イェシーバーの学生たちは9日、ユダヤ歴史博物館で公演する。