Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.93 腰痛患者に多い 椎間板の問題

知らずのうちに危険行為
 あなたは自分の体のことを知っていますか? 体の仕組みを知らないままストレッチや運動をしても、実はそれほど高い効果は得られません。それどころか、意識せずに間違った動きを続けて、体を傷めることもあります。体の構造や仕組みを頭の中でイメージできると、どこをどう意識して動かせば効果的なのかが分かります。筋肉を傷めたり、関節を傷めたりすることもありません。
 例えば、朝起きて腰が痛く体が硬く感じたとすれば、どうしますか? なにはともあれ体を動かさなければと、無理をして前屈をしてみますか? 「床に指先がつけばいいんだよね」と、胴体を前に倒し、勢いよく体を曲げますか? 実は、これらはかなり危険な動きです。
 朝起きて腰が痛い場合、大きく分けて2つの原因が考えられます。1つ目は、椎間板を傷めていること。もう1つは、筋肉が硬直していることです。筋肉の硬直であれば、前屈しても悪化はしないかもしれませんが、椎間板を傷めている場合、前屈は危険な行為です。
 「椎間板ヘルニア」という病名を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。ヘルニアになったら「手術しかない」と悲観している人もいるでしょう。しかし「手術」以外にも治療法はあります。もちろんカイロプラクティックにおける治療分野の1つでもあります。また、「自分は椎間板ヘルニアなどにはならない」など他人事と思っている人もいるでしょう。ただし、腰痛患者の約60%は椎間板になんらかの損傷があるといわれています。

患者とじっくり向き合う
 カイロプラクターとして私が掲げる大きな使命の1つは、多くの人に自分の体について知ってもらうことです。硬直による腰痛なのか椎間板に問題があるのかを調べ、その原因と治療法を体の仕組みとともに説明します。そのために、私のクリニックでは、問診と検査は無料で行い、検査結果が出るまでじっくりと患者と向き合います。遠方から通うなど距離的な理由で、または金銭的な理由で治療を続けてもらえなくなった場合でも、患者自身が自分の体を理解し、ケアできるように丁寧に説明をしています。

Dr. 石谷三佳
石谷ヘルスセンター院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

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