エリート校入試、特別待遇でも偏り 白人と富裕層の受験生に多く

 ニューヨーク市のエリート8校「スペシャライズド高校」の入学試験で、試験時間延長などの特別待遇を受けているのは白人や裕福な家庭の受験生に多いことが分かった。ウォール・ストリート・ジャーナルが17日、市教育局のデータとして報じた。
 連邦更生法第504条では、不安神経症や注意欠如多動性障害(ADHD)などを患う生徒は、試験時間の延長など幅広い特別待遇を受けることができると規定している。同紙によると2017年実施の18学年度の入学試験で同規定の適用を受けたのは白人の受験生の2.6%、ヒスパニック系の1%、アフリカ系の0.9%、アジア系の0.3%と、白人の割合が最も多かった。
 同紙によるとまた、市内で同規定の適用を受けた受験生が最も多いのは、マンハッタン区アッパーウエストサイドの第3学区。貧困層の受験生で同規定の適用を受けたのは0.6%だったのに対し、それ以外の受験生は1.9%だった。
 同規定の適用を受けるには、医師の診断書および学校の署名が必要。同紙は裕福な家庭の保護者が特別待遇について詳細な情報を得ており、学校が費用を負担しない場合は、外部の評価を受ける経済的余裕があるためと分析した。
 全体では、同学年度入試の受験生2万8334人のうち、一般の生徒の合格率が18%だったのに対し、同規定の適用を受けた生徒の合格率は36%だった。