「ストーンウォール・イン」の秘密 LGBTQ権利獲得運動の発祥の地

 性的少数者(LGBTQ)の権利獲得運動は1969年6月28日、マンハッタン区グリジッジビレッジのゲイバー「ストーンウォール・イン」で起きた反乱から始まった。amニューヨークが24日、LGBTQたちの「聖地」、ストーンウォール・インについての「秘密」を紹介している。
 67年、レストラン「ボニーズ・ストーンウォール」としてマフィアが開業。レズビアンの伝記「ザ・ストーンウォール」にちなんだ店名には同性愛者歓迎の意味が秘められていた。
 当時の金額で3ドルの席料を払えば夜通し過ごすことができたため、同性愛を理由に家族や社会から受け入れられずに家出したホームレスの若者たちのたまり場になっていた。
 当時、ゲイバーを営業することは違法だったため、ニューヨーク市警察(NYPD)から頻繁に手入れを受け、女装していた男性はその場で逮捕された。
 現共同経営者のステーシー・レンツさんは、同性愛者のアイドルだった女優のジュディー・ガーランドが暴動の6日前に亡くなったことが反乱の「引き金の1つ」と指摘する。抑圧されていたLGBTQの不満に火が付いたのだという。
 同店では「誰もいないのにドアが音を立てて閉まる。男と女の幽霊が出る」などの噂もある。店にまつわる「秘密」をもっと知りたい人は、バーテンダーのツリーさん(80)に聞いてみよう。50年前の反乱の生き証人だ。

ストーンウォール・イン(photo: Asami Kato / 本紙)