飲食店で「ロボット」化進む 「料理のニュアンス出せない」と批判も

 キッチンにロボット(機械)を導入する飲食店がニューヨーク市内で増えている。20日付のウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
 マンハッタン区チェルシーのファストフード店「ダラップ・モダン・インディアン」は、クレープのようなドサを作るのにロボットを使う。ロボットは、元エンジニアの店主、ナット・ロガナサンさんが芝刈り機のシャフトモーターを使って自宅で組み立てた。材料費は3000ドル以下だが、品質のばらつきがないドサができるという。同区ミッドタウンに2店舗を持つ「マキマキスシ」は、炊きたてのご飯にすし酢を混ぜ、巻きずしを8等分に切り分けるところまでをこなすロボットを導入。店主のケビン・タカラダさんによると、1時間に300本の巻きずしが出来上がり、以前より効率が50%向上したという。
 ミッドタウンのヨーテルホテル内にある「ソーシャル・ドリンク・アンド・フード」では、カクテル製造用ロボットが活躍。1台2万8000ドル(約300万円)と高額だが、同ホテルの担当者によると、調合するお酒の量を厳密に測ってカクテルを作るため、お酒の「無駄使い」が減るという。ホスピタリティー業界の専門家も、ロボット化で人件費を削減できると指摘する。
 一方でロボット化に異を唱える人もいる。ミッドタウンのすし店「銀座おのでら」のヘッドシェフ、スズキ・カズシゲさんは「ロボットは料理の微妙なニュアンスが出せない」と首を傾げた。