DR.高田洋平 FUNCPHYSIOの気になる体のはなし Vol.25 意識したい「呼吸法」

意識したい「呼吸法」
 日々何も考えずに行っている呼吸ですが、呼吸の問題は肩こりや頭痛に関係します。こうした悩みを持っている人は、息苦しいと感じたり、うまく吸えない、吐けないなどと感じたことがあるのではないでしょうか。今回は「呼吸」についてお話します。 

胸式呼吸と腹式呼吸
 呼吸法には「腹式呼吸」と「胸式呼吸」の2種類あります。
 腹式呼吸とは、横隔膜という筋肉を使った呼吸法です。横隔膜は肺の真下、胸部と腹部を分ける場所に位置しています。腹式呼吸では、息を吸うとき、この筋肉が下がり平らになることで空気が肺に入ります。同時に内臓が前方に移動することで、お腹が膨らみます。

 腹式呼吸を行うと副交感神経が活発になり、体をリラックスさせる効果があります。筋肉の緊張を緩和し、内臓の活性化にも効果的です。
 一方、胸式呼吸は首回りから胸部にかけての筋肉を使い、胸を膨らませて行う呼吸法です。運動時など短時間に多くの酸素を取り込むときに効果的です。交感神経を活発にし、動いている筋肉を緊張させる働きがあります。しかし、姿勢が悪かったり、不安や緊張、精神の乱れがあったりすると、安静時にも胸で呼吸しがちです。すると筋肉が過剰に使われてしまうため、肩こりや頭痛の原因になるのです。
 一般的に、息を吸うときに胸の外側(胸郭)の広がりが大きい場合は胸式呼吸、横隔膜の下がりが大きい場合は腹式呼吸と分けられています。ただしこの分類はあくまで感覚的なもので、基本的にはどちらの筋肉も動いています。安静時には体に負担がかかりにくい腹式呼吸が効果的ですが、それができていない人もたくさんいます。

その呼吸、何呼吸?
 自分がどちらの呼吸法を主に使っているか自分でチェックしてみましょう。胸とお腹のあたりに、それぞれ手を置きます。鼻から息を吸った時、お腹と胸ではどちらの動きが大きいでしょうか? 胸よりもお腹が膨らんでくる感覚があれば、腹式呼吸ができています。逆に、息を吸ったときに胸が大きく膨らむ、または上半身が動いてしまう場合は胸式呼吸の方が強いかもしれません。
 ファンクフィジオNYでは肩こりや頭痛、息苦しさなどの症状に合わせ、呼吸を行う際の姿勢の指導や効果的な呼吸法を提案しています。自宅や職場で簡単に行えるエクササイズや日常生活でできる工夫なども指導します。 呼吸について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

山並絵美 PT, DPT
ミシガン州立大学で運動学を専攻。ロングアイランド大学理学療法学博士号取得(Doctor of Physical Therapy)。自身も学生時代にバレーボールやバスケットボール、サッカーを経験し、スポーツリハビリを得意とする。現在は、FuncPhysioで
ファンクショナル・マニュアル・セラピーの習得を目指し勤務中。

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