批判発言、文書で記録していた NY市での拠点断念したアマゾン

 クイーンズ区ロングアイランドシティー(LIC)での新拠点「第2本社」建設を今年2月に断念したアマゾンの幹部らが、建設計画に反対していた議員や労働組合幹部らから受けた否定的な発言を文書に記録していたことが明らかになった。文書のコピーを入手したウォール・ストリート・ジャーナルが8月28日、報じた。
 文書は「NYネガティブステートメント」と題され、全部で8ページ。冒頭に登場するのは、LICを選挙区に含むニューヨーク州のマイク・ジャナリス上院議員とニューヨーク市議会のジミー・バン=ブラマー議員(ともに民主)。両議員は州と市による30億ドルの税制優遇、家賃高騰への懸念などを受け計画に批判的に。計画が正式に発表される前に共同で「アマゾンのドローンとして仕えるために選出されたのではない」とする声明を発表していた。同紙によると、文書はこれについて言及。ジャナリス議員の名前は、文書全体で25回と最も多く登場する。
 文書には、計画に声高に反対していた労働組合「小売・卸売・百貨店連合(RWDSU)」代表のスチュアート・アップルバーム氏も独自の章となって登場する。今年1月、集会で「ニューヨークは寒い日となったが、(アマゾンCEOの)ジェフ・ベゾスの心ほどではない」とスピーチしたことも記されていた。
 アマゾンは、同文書を、市議会での公聴会の準備のために作成されたものと説明している。文書に、デブラシオ市長およびクオモ知事の名前はなかった。

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