テロ遺児19人がFDNYに入隊 過去最多、父親の思い継ぐ

 ニューヨーク市消防局(FDNY)は24日、消防学校の訓練課程を修了した301人の入隊式を行った。うち過去最多の13人は、2001年の9.11同時多発テロで殉職した消防隊員や警官を父親に持つ。他の6人は父親を9.11の関連死で亡くした。テロ遺児たちの思いを、ニューヨークタイムズが同日、報じた。
 レベッカ・アサロさん(27)とマークさん(25)は、テロ当日に犠牲となったカールさんの子どもたち。6人きょうだいで、2人の兄も消防隊員だ。レベッカさんは「父と同じ教室で訓練を受けた。父との距離が縮まった気がする」と述懐した。
 マニー・モジカさん(23)の父親はテロ当日に37歳で亡くなったマニュエルさん。がっしりとした体に入れ墨を入れ、オートバイで学校の送り迎えをしてくれたことを覚えている。「父さんがどんな仕事をしていたか訓練を通して学んできた。夢が叶った」と入隊を喜んだ。
 スタテン島第151分隊の隊員だったデニス・ヒードルズさんは、9.11の粉じんによりがんを発病し、15年に亡くなった。今回、息子のトーマスさん(29)が入隊する。訓練課程の入隊試験には何度も落ちたが、最後のチャンスで合格。殉職した隊員の遺児に与えられる「レガシーポイント」に助けられた。成績は良くないかもしれないが、父親の遺志を受け継ぐ準備はできている。