イースト川に浮かぶ船型刑務所 ライカーズ島閉鎖計画で存在が浮上 

 ニューヨーク市がライカーズ島刑務所を閉鎖し、収容定員の少ない新たな刑務所を建設する計画を進めるに伴い、これまであまり知られていなかったイースト川のブロンクス区南岸に浮かぶ船型刑務所の存在が注目を浴びている。ニューヨークタイムズが10日、報じた。
 同区ハンツポイント近くの川岸に係留されたバーノン・C・ベイン・センターは1992年、中毒性が高く高純度のクラックコカインのまん延により、市刑務所の収容者数が定員を超えたため、臨時の収容施設として使用を開始。現在も刑務所として使われている。
 市は、ライカーズ島刑務所閉鎖計画の一環として同センターの閉鎖も約束。デブラシオ市長をはじめ多数の市議会議員や刑事司法擁護団体から支持を得た。市議会で承認されれば、両刑務所は2026年までに閉鎖される見通しだ。
 625フィート(約191メートル)の青い船体の上にレゴブロックを重ねたような窓がほとんどない5階建ての同センターには、1日当たり最高800人が収容可能。同センターの元受刑者は、「耐えがたいほど暑く、暗くて窮屈。まるで奴隷船の貨物室」と訴えた。船型刑務所は、全米で類を見ないという。