女性経営者を対象に最高10万ドル NY市が低金利のローン貸付制度を開始

 ニューヨーク市小規模企業サービス局(SBS)は13日、ニューヨーク市の女性経営者を対象にした低金利のローン貸付制度を開始した。市経済開発公社、金融大手ゴールドマンサックス、ウェブサイト構築およびサービス会社のスクエアスペースが500万ドル(約5億4415万円)を投入して行う官民共同事業だ。
 女性経営者は男性経営者と比べ、ローンの申し込みを断られたり、資金不足に陥ったりする傾向が高いとされる。そこで同局は、男女格差を縮めるために、女性が経営する企業に、最高10万ドル(約1088万円)を約12%の金利で貸し付ける。
 ただし、クレジットスコアが620点以上で、会社を設立してから1年以上が経過し、年間5万ドル(約544万円)以上の収益を挙げていることが申請条件となる。  
 1600人以上の経営者を対象とした市の2015年の調査によると、女性は男性と比較して、高金利のローンを借り入れることに及び腰だ。SBSのグレッグ・ビショップ局長はウォール・ストリート・ジャーナルの取材に、「女性は、リスク回避傾向にあるようだが、男性と女性の経営者に5年後の目標について質問すると、同じ答えが帰ってくる」と述べた。
 非営利の中小企業開発組織、ビジネス・アウトリーチ・センター・ネットワークのナンシー・クレインさんは同紙に、資金を必要とするときにのみ迅速に融資を受けられるのは、女性経営者にとって特に有用であると歓迎。ホリデーシーズンに向けて資金が必要となるベーカリーのようなビジネスに役立つと話した。
 SBS によると、1カ月前に同貸付制度を開始して以来、これまでに13件の申請があったという。