ウルフの遺品153を点購入 NY公共図書館、入水自殺巡る書簡も

 ニューヨーク公共図書館(NYPL)は、英国の作家、ヴァージニア・ウルフ(1882〜1941年)の遺品153点を新たに購入した。NYPLが同日、明らかにした。購入金額は未公表。
 NYPLは1958年に夫、レオナルドから直接、ウルフの日記を入手したのを皮切りに遺品の収集を開始。現在、文学作品全ての原稿や書簡類3000点、41年3月28日に入水自殺した際に持っていたステッキなど合計3700点を保有している。
 今回、コレクションとして新たに加わったのは、収集家、ウイリアム・ビークマンさんが数十年かけて集めたもの。1907年に、姉のバネッサ・ベルの結婚に当たりバネッサに送った、猿とウォンバットが登場する寓話仕立ての祝辞の他、書簡類が約100点。書簡の中には、ウルフの失踪と入水自殺を巡り交わされたレオナルドとバネッサ、ウルフの友人のヴィタ・サックビル=ウエストによる8通が含まれている。他に「ヤコブの部屋」(1922年)、「ダロウェイ夫人」(1925年)、「灯台へ」(1927年)などウルフの初版本。写真付きのウルフのパスポート、1910年に義理の兄、クライブ・ベルと海岸でたわむれる笑顔のウルフの写真など。
 NYPLの学芸員キャロライン・ベガさんは、ニューヨークタイムズの取材に153点は数としては多くないが、「どれも非常に貴重な資料」と話している。

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