ビルのエネルギー効率AからDで評価 温室ガス排出量の削減目指し


 ニューヨーク市は2010年から、飲食店の衛生状態をアルファベットのA(優良)からD(失格)に格付けして、サインを店の入り口付近に掲示することを義務付けているが、来年からは、ビルのエネルギー効率の評価とサインの掲示が義務付けられる。ビルからの温室ガス排出量を削減するのが狙い。ニューヨークタイムズが21日、報じた。
 評価と掲示は、2万5000平方フィート(約2323平方メートル)以上のビルに義務付けられるもので、市にあるおよそ100万棟のビルのうち4万棟が対象となる。対象となるビルは、電力会社から送られたエネルギーの年間使用量を、米環境保護庁(EPA)が作成したオンラインツールに入力し、温室効果ガス排出量を算出する。これに加えて、商業または居住用などビルのタイプや入居者数などの要素を考慮して出たスコアを、2020年5月までに市に提出しなければならない。 
 AからDのアルファベット評価は、このスコアに基づいて決定される。ビルの所有者および管理者は、アルファベットのサインを一般の出入り口近くの目立つ場所に掲示しなければならず、違反した場合は、罰金を科される。D評価を得た場合は、市建築局(DOB)に不服申し立てが可能。評価は毎年実施される。
 エネルギー効率のアルファベット評価は、2017年に可決され18年に制定された第33地方条例に基づくもの。今年4月に市議会で気候変動条例が可決された際に微調整された。
 ビルからの温室ガスの排出量は、市全体の排出量の約3分の2を占める。

New York City Department of Buildings