庶民のビーチ「魂」守れ 家賃高騰に瀕するコニーアイランド


 「庶民のビーチ」として長い間親しまれてきたブルックリン区のコニーアイランドが高級化の波にのみ込まれようとしている。ニューヨーク市のコーリー・ジョンソン市議会議長と同地区選出のマーク・トレイガー市議会議員(民主)はこのほど、コニーアイランドの小規模小売店が家賃高騰で苦境に立たされているとして、救済策を取るようデブラシオ市長に訴えた。ニューヨークポストが11月28日、報じた。
 市は2009年、27エーカー(約11万平方メートル)の土地を「市民の遊技場地区」に指定。翌年、海岸沿いの7エーカー(約3万メートル)を9560万ドル(約104億2530万円)で買い上げ、イタリアの遊戯施設メーカー、ザンペルラに管理を委託した。同社は海岸沿いの小売店などの家賃設定と徴集も行い、そのうちボードウォークに建つ6店に高額な家賃改定を求めているという。
 ジョンソン議長は「家賃高騰の影響を受けるのは、コニーアイランドの『魂』ともいえる店。ここには高級チェーン店は不要」と懸念を表明。「市長は問題解決のために介入すべき」と主張している。トレイガー議員は、「市には、コニーアイランドに対する理解と将来に向けたビジョンが欠如している」と訴えた。
 契約更新に当たり現在の家賃の5倍を提示されたTシャツ店、ローラスターの店主、ダイアナ・カーリンさんは「(ザンペルラは)利益の割り前まで要求してきた。合意にはほど遠い」と激怒している。

コニーアイランドのボードウォークBilly Hathorn