「毒藻」駆除に自然の力利用 プロスペクトパークの新しい試み

 自然の力を利用した「グリーンインフラ」で、池に繁殖した有毒な藻(アオコ)を駆除する試験プログラムがブルックリン区のプロスペクトパークで始まった。ゴッサミストが11月26日、報じた。
 アオコは、リン酸塩が繁殖した湖や沼で浮遊性藍藻などが大量発生し水面を覆い尽くすほどになった状態、およびその藻類のこと。ニューヨーク市では鉛汚染を防ぐため、水道水にリン酸塩を加えており、この水道水が池に流れ込むことから異常繁殖につながったと見られている。濾過用のフィルターはメンテナンスが大変なうえ交換費用もかさむ。そこで、ブルックリン大学地球環境科学学科のジェニファー・チェリア教授が開発した「エコワイヤー」と呼ばれるグリーンインフラを試験的に導入することにした。
 池に流れ込む水を地下でろ過し、その上部に植えた在来種の草や芝で過剰な栄養素を取り除くまでは従来のグリーンインフラと同じ。ただし、スマトーセンサーを使って、水の流出を制御するところがエコワイヤーの優れている点だ。「湿地帯の生態からアイデアを得た」とチェリア教授。「目に見えない地下で自然の力を使い問題を解決できるのは画期的」と同公園を管理するプロスペクトパークアライアンスのクリスチャン・ジマーマンさんも期待を寄せている。 
 同パークでは、水質検査を来年まで続け、有毒な藻の繁殖が制御できれば、他の池にもエコワイヤーを広く利用していくという。

Lamiot