凶悪犯罪者入院する精神病院 患者の移動に職員が反対

 ニューヨーク州精神衛生局は、マンハッタン区ワーズ島にあるカービー法医学精神医学センターを建物の老朽化を理由に来年1月で閉鎖し、患者を同区にあるマンハッタン精神病院の隔離病棟に移す計画を進めている。しかし、同センターで働く職員から、反対の声が上がっている。ニューヨークタイムズが13日、報じた。
 
 法医学精神医学センターとは、「精神異常」と診断された犯罪者の入院施設。カービー法医学精神医学センターには、1989年マンハッタン区イーストビレッジで2人を殺害。そのうち1人の遺体を切断し、頭部をスープにして食べたダニエル・ラコヴィッツの他、重罪や連続殺人など凶悪犯罪者が約200人入院している。患者が医師や看護師に危害を加えることもたびたびあるという。
 
 同センターの職員は、移動先の他の患者や職員の安全性を懸念。警備が比較的容易とされる大部屋の同センターと異なり、マンハッタン精神病院の病室は窓がない2人部屋であるため、十分な監視ができず、同病院の患者に危害が及ぶ恐れがあると主張。移動計画を中止にするよう州精神保健衛生局とクオモ知事にオンラインで嘆願書を提出した。
 
 同センターの犯罪心理学者、キャサリン・モルティエーレさんは、「患者は普通の精神病患者とは違う、凶暴な犯罪者。移動は危険」と訴えた。