DR.高田洋平 FUNCPHYSIOの気になる体のはなし Vol.28 手を酷使する人に多い「毛根管症候群」

 今回は、手のしびれやだるさの原因になる「手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)」についてお話しします。
 手の平や指先がしびれる、手首が痛む、手がこわばる、物をつかむのに苦労する、といったことを経験した人は要注意です。無理なストレッチやマッサージは逆に症状を悪化させてしまう場合もあります。

 手根管症候群は、「正中(せいちゅう)神経」と呼ばれる神経が、手首に位置する「手根管(しゅこんかん)」というトンネル内で圧迫されてしまうことから起きます。これは日常生活で、仕事やスポーツなどで手を酷使する人がなりやすい傾向にあります。また、パソコンやスマートフォンの使いすぎなどでも手首の腱に炎症が起きてしまい、神経の圧迫につながります。女性の場合はホルモンバランスの関係でむくみが生じる妊娠中や出産期に発症することも多いです。

 正中神経は手の平の親指から薬指の親指側の半分にかけての「感覚」や、親指全体の「動き」を司っています。そのため、小指と薬指の小指側にかけてはしびれの症状が現れません。
 また、神経が圧迫されているため、物を持ったり細かいものをつまんだりするといった動作も難しくなり、悪化すると手の平側の親指の付け根の筋肉が弱くなるため筋肉が落ち、痩せてきます。

 ファンクフィジオでは手根管症候群の治療も行います。 神経を圧迫する原因となる日常生活での手の使い方、パソコンをタイプする際の手首や腕の正しいポジション、自宅で簡単にできるマッサージやエクササイズ方法を指導します。
 また、手首だけでなく、肘や肩・首と幅広い部位をチェックして、手首に負担がかからないような姿勢の指導や効率の良い筋肉の使い方などを提案します。

山並絵美 PT, DPT
ミシガン州立大学で運動学を専攻。ロングアイランド大学理学療法学博士号取得(Doctor of Physical Therapy)。自身も学生時代にバレーボールやバスケットボール、サッカーを経験し、スポーツリハビリを得意とする。2019年、ファンクショナル・マニュアル・セラピーの資格を習得。

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